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チリの世界地図?島国だけではないゴーン事件の国際性・その6


日本の世界地図は日本が真ん中にあるけれど、世界的には極東の端っこだ、と思っていたら、チリの世界地図はひっくり返しらしい。世界の“常識”はぜんぜん違う、という視点で見たゴーン事件の行方。

(その5からつづく)

◆2018年が押し迫ったところで、ラジオからゴーンの娘に電話会見したアメリカのテレビ局のニュースが流れた。娘は、父親がおかれた情況に苦言を呈していた。

◆「父が犯したとされることよりもはるかに大きな力が動いたと直感で感じている」
「独房には暖房がまったくなく、毛布がほしいと言っても聞いてもらえない」
「父は、酷い情況におかれている」
娘がざっと、こんな流れのコメントをしたとニュースは伝えた。

◆“大きな力”とは、ニッサンの内部の動きを指しているようだ。そして、まるで、日本のやり方が、父を人間扱いしていない、と娘は父を気づかっていたが、父親が収監されているのは日本。他の罪人や被疑者と、ゴーンが別の扱いをされているわけではない。むしろ、VIP扱いなので、より注意深くなっていることはあっても、それ以上でも以下ではない。家族なので心配はもっともだが、ここが日本であることを無視して、自国や知っている環境に照らし合わせて、訴えるのはお門違いというものだ。

◆ところで、8日に、注目の動きがある。“なぜ保釈しないか?”を検察が理由を述べる手続きである拘留理由開示が行なわれるからだ。

◆実際の裁判形式で行われるその場に、ゴーン本人が出席して10分程度の意見を述べる。検察がゴーン本人に「私は逃亡しない」と宣言させようとしているわけで、牛のお尻に焼き印を押すようなセレモニーだ。これに対してマスコミは、すわゴーン反撃か? とイキリ立っているが、これは検察の道中引き回し的アピールと言っていい。

◆つまり、8日に出廷したゴーンは「勾留が不法だ!」と主張はするだけれど、「逃亡しません」とは言い切らないはず。保釈を勝ち取ったらゴーンは逃げるに違いない。8日は逃亡阻止の検察と逃げたいゴーンの駆け引きになるはずのこのせめぎ合いが、かなり見ものになりそうだ。

(つづく)

※その1へ

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