F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

夢の中の白いF1

◆メキシコGP-アメリカGP連戦で、完璧な時差地獄からちっとも抜けだせない。夕方寝て、夜起きて徹夜になって朝から寝る。睡眠がぶつ切りで自律神経が出張しちゃってヘンな夢を見た。自立神経は失調だろうって? 夢だからしょうがない。

◆その前に別の場面があったきもするけれど、覚えているのはスマホのに電話がかかってきたところからだ。画面の赤いマークをタッチするところから夢は始まった。

◆“もしもし、山口さんでしょうか”。懐かしい声は続けた。“いつもお世話になっております。H広報のM岡です”。ビックリして、マルエツの鮮魚コーナーの前で、周りに人がいるのも忘れてでかい声で、「あ、M岡さん!! ごぶさたですっ。お元気ですかぁ!!」と牛タンの30%引きのパッケージを手に持ったまま思わず叫んだ。鮮魚コーナーになぜ牛舌が置いてあるのかわからなかったが、M岡さんはいつもと違って、なんだかとてつもなく事務的な声で、オレの大声の反応には答えずに続けた。“急な話で大変恐縮なのですが、お知らせしたいことがありますので、今すぐ青山までお越しください。なんがた用意した文章を読んでいるような、事務的というか、なんだかよそよそしいフレーズに、「グゲッ」と言葉にならない声が出た。

◆そこで10年ほど前を思い出した。同じようなトーンで大阪に転勤になったT見さんから電話がかかってきた。その時と同じ質問をした。「ご様子から、もしかして、F1のことでしょうか。声の流れからあんまりいい話ではない気がしますけど」。テレビの映像みたいに、電話を受けているオレのスマホから電話をかけているM岡さんの映像が夢の画面にボワッと浮かんで見えた。T見さんの時とまったく同じく、ちょっと困って言葉を詰まらせた後に、“それも含めてお越しいただいてからで”という返事が返ってきた。こちらも前回と同じように、次の質問を諦めて電話を切った。

◆しかし、変だ。M岡さんは、15年以上も前に天国に旅立たれていたからだ。いや、起きているときならそれを変だと思う前にギクッとするだろうけれど夢である。昔の夢か、さもなければ、変な気がしたのは、M岡さんからの電話はいつも、“ヤマちゃん”で始まるのに、今日は、ヤマグチさんと言ったからかもしれない。

◆慌てて青山に向かったが、途中で電車を乗り間違えたらしく、家を出てから3分ほどで綾瀬駅に着いた。なぜ綾瀬駅なのかわからないが、家から近い西八王子駅の隣の高尾駅に似ていた。改札を出ると、竹藪があって、その向こうからスーパーカブに乗ったM岡さんが歩いてきた。スーパーカブに乗っているのか、歩いているのか、どっちなのだ。「お、ヤマちゃん、どこいくの?」。ますますわからなくなってウ~ンと唸ったら女房が、どうしたの?と心配そうに覗き込んできた。え、何が、と目を瞬かせると、なんだか苦しそうに唸ってたわよ、と心配そうな顔を寄せてきた。久々に抱きしめて1戦交えたところで目が覚めた。

◆どこまでが夢でどこまでが現実かわからなくなって机で腕組みしていると、ピン・ポーンと玄関のチャイムが鳴ったので飛び起きてインターフォンを上げた。宅急便の差出人はM岡さん。届いたのは、白いF1のビデオだった。

◆すでにとっくにビデオプレーヤーは何処かに行ってしまったはずのに、なぜかパソコンでそのビデオを観た。そこには、白いF1の後にBARホンダの監督になる保坂さんと、第二期の頃から、V10ターボを含む幾多のF1エンジンの設計責任者だった北元さんが映っていた。断片的に夢の画面はクリアーだが、全体に白く曇っているのはビデオが古いせいか。ハイビジョンならもっとよく見えるのに、と感心しながら観ていくと、ダラーラのファクトリーのようだが、いつのまにかどこかのどこかのコースにワープした。白地に赤のストライプが入ったフォーミュラカーのコクピットに納まっているのは、ヨス・フェルスタッペン。マックス・フェルスタッペンのお父さんだ。後ろからダニール・クビアトが覗き込み、カメラが引いたらそこはもてぎのコレクションホールだった。

◆夢なのか、聞いた話と錯乱しているのかわからなくなったが、結局、発表会はあったのだろうか? 心配になったが、考えたら今日は日曜日。そんな電話がかかってくることはない。いや、夢だから、とも思うけれど、なんでこんな夢を見たのだろう。

◆そこまで考えた瞬間に、アッと叫んだ。本日の山口正己を書かなくちゃ、と思って飛び起きたところで目が覚めた。そろそろ寝た方がいいかもしれない。

◆布団に入ってウトウトしたところで、スマホに電話がかかってきた。

photo by [STINGER]

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