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レーサーのパン屋さん–伊賀の『トルタ・ロッソ』

 

◆今日は、ちょっと変わった人を紹介しようと思う。『トルタロッソ』。伊賀のパン屋さんだ。レースやクルマに関係ない? 大ありなんだな、これが。

◆伊賀市下友田に、お洒落な直売店を持つパン工場を構える。何故そこなのかを尋ねると、店長の高橋毅さんは、「最後の決め手は、住所に“友”があったからです」と変わった返事を即座に返してきた。他と違ってこだわりを持つトルタロッソのパンへの想いが顔を覗かせた。大好きだったおばあちゃんの名前が“友江”だったから、という理由もあったけれど、伊賀を選んだのは、その土地独特の特徴がパンにうってつけだったからだ。

レーサーからパン屋に転身した高橋毅さん。

◆伊賀市は、古代に琵琶湖の湖底だったらしく、栄養豊富な土と木津川上流の美しい水で育てられる伊賀米の産地として知られている。湖底だった土は粘土質で、湿度変化が起きにくい。要は、米だけでなくパンにも優しい土地であることを高橋親子は突き止めたのだ。

◆伊賀に決めた本当の理由は、美味しい軟水と湿度だった。「湿度でパンで最も大切にしたいきめ細かさが決まるんです。他の場所ではできないです」。

◆数千万円するというこだわりのオーブンでパンを焼くのは毅さんの父親の徹さん。毅さんが生まれたばかりの時、母子を放り出してフランスにパンの修行に旅立った筋金入りの職人だ。息子の毅さんは、思い立ったら吉日まっしぐらでトコトンやらねば気が済まない父親の血を引き、30年ほど前にカートの世界選手権から、イタリアでF2000に参戦、日本に戻って鈴鹿F4のチャンピオンになり、スーパーフォーミュラまで上りつめたレーサーだったあの高橋毅だ。その後、レーサー時代の情熱をそのまま注入できる仕事を見つける。父親と共同で日本に美味しいパンを広めること。イタリアでのレーサー時代、食事が美味しいことでフランスと双璧のイタリアに住んでいたときに学んだイタリア語の心地よい耳触りが気に入って名付けた『トルタロッソ』(赤いケーキ)が誕生した。

1991年、フランスのラバルでの世界選手権に高橋さんは本山哲と参戦した。

◆素材、製法はもちろん、オーブンにまで徹底的にこだわり、カナダ産の小麦粉と国産の高級バターを使った完全予約制1日限定50本の2斤800円(税別)の高級食パン、その名も「伊賀のおいしい水を使った高級食パン」は、絶対の自信で届けられ、もっちりした食感と口溶けのいい深い味わいで人気を博している。また、東京や大阪の外資系ホテルに『冷凍パン』を卸しているが、こちらの美味しさも折り紙付きだ。

▲道の駅あやまの出張販売所。

▲180種以上のメニューのうち、100円台の商品が約170種類。メロンパンも5種類のラインナップがある。

高橋社長のお気に入りの、みたらし団子と城戸商行の店長さん。さて、お気に入りは、団子か店長か。

◆直売店として、工場からクルマで10分ほどの「道の駅あやま」にも毎日トルタロッソのパンが並べられる。道の駅あやまには、トルタロッソのパンの他に、野菜や名産品が並んでいるが、高橋社長は、他の店舗の店長ともすっかり懇意になってそこに溶け込んで、今日も美味しいパンを届けている。

◆鈴鹿サーキットの帰り道、ちょっと寄り道して美味しいパンと、みたらし団子は、いかが?

『トルタ・ロッソ』 伊賀市下友田
Tel : 0595ー43ー2000

インスタグラム

photo by [STINGER]

 

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