ニスモ・フェスティバルで気になった“繰り返しパターン”
◆12月8日、富士スピードウェイで開催されたNISMOフェスティバルは、例年どおり、ニッサンのレーシングカーとレーサーが勢ぞろいした。オレ的には、レースに興味を持ち始めた1960年代終盤の、R382や、その後ハマリまくったGC(富士グラチャンピオン・シリーズ)のサポートレースのスーパーツーリング/マイナーツーリングのGT-R群と110と310サニーの模擬レースに哀愁を感じたが、ひとつもったいないと思ったのは、フォーミュラEだった。
◆フォーミュラEは、次代のF1とも言われている。そうなるかどうかはまだ明確ではないにしろ、2030年には石油由来の燃料を爆発させて推進力を得るいわゆる内燃機関が作れなくなる。ドイツがそう言っていることが真実なら、ハイブリッドも消滅して、F1は電気自動車にならざるを得ない。つまり、フォーミュラEがF1に取って代わる、ということだ。
◆NISMOフェスティバルは、ニッサンのレース部門のお祭りだが、今のニッサンのモータースポーツは、残念ながら、グローバルでの視点からは寂しい限り。今週末に行なわれるトヨタ・ガズー・フェスティバルは、F1こそないけれど、WECとWRCのチャレンジがあり、WECでは中嶋一貴と小林可夢偉が、そしてWRCでは勝田貴元という日本人ドライバーもいて、その日の目玉として紹介できるが、ニッサンにはその“タマ”がない。
◆そうしてみたNISMOフェスティバルは、オレにとっては哀愁を誘う嬉しいイベントだったけれど、70歳になろうとしているジジイの哀愁だけではなく、もっと未来的なインパクトがほしいと思った。例えば、ドイツ連合の、ポルシェ、メルセデス、BMWに協力を呼びかけて、フォーミュラEの模擬レースをやるとか。未来に向けてうちはフォーミュラE推しですよ!!と宣伝できたチャンスなのに、なんとももったいなかった。
◆正直、少なくとも現時点でのフォーミュラEは、F1に比べて迫力もポテンシャルも負けている。しかし、2030年に向けて間違いなくポジションが逆転するはずなのだから、ここでフォーミュラEのポテンシャルを大きくしておくプロモーション活動が大切だったのに。
◆来年は是非、実現されんことを。もちろん、ペースカーは、ニッサンノートeパワーで、運転手は矢沢永吉。“やっちまったなニッサン!!” じゃなくて、“やっちゃえニッサン!!”でいかがでしょうか。
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