発想の転換
◆本田宗一郎の逸話の中で、気に入っている話。研究所で、若手技術者が鳩首会談をしていた。回転するパーツに潤滑油を無駄なく適量を供給するために、オイルを滴下する配管の先端をどうするか。素材や、ミクロ単位の隙間などを検討していた。通り掛かった宗一郎がそれを聞いて一瞬考えて、“先端をゴムにしろ”と言った。ゴムにすれば、やがて削れてピッタリになるから、というものだった。
◆若手技術者たちは、削れないようにという発想だったが、宗一郎は、削ることを前提に考えた、ということ。削ってピッタリにする。逆から目を着けた。
◆宗一郎が今のコロナ騒動をみたら、なんというのだろうか。“コロナ? うちは大丈夫。なにしろうちはシビックだから”、てなオヤジギャグも得意だったらしい。
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