F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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桜のキャンプ


◆朝起き抜けに散歩してみた。目指すは家から2㎞弱の富士森公園。道すがら、幼稚園と学校と、大きなレストランなど、特別な場所に桜の木があるのを観ながら思い出した。キャンプ場をやっていたオヤジが、50年ほど前に、“桜のキャンプだ”と言い出して、桜の木を相模湖のみの石滝キャンプ場に植えようとしていたことを。実現しなかったけれど、こうして桜をみると、なかなかいいアイデアだったといまさら思った。

◆ガキの頃から手伝っていたキャンプ場は、夏だけのものだった。450人ほど収容できる60棟あまりのバンガローが埋まるのは、7月と8月に限られていた。8月最終週に満員でも、9月の第一週になると宿泊客は20人くらいにガタ落ちする。子供たちの夏休みは8月一杯に終わるけれど、社会人の夏休みはお盆休み周辺で終わっているので、関係ないと思うけれど、9月になるとパッタリと客がこなくなる。当り前のことだが、キャンプは夏のものだからだ。

◆だから“桜のキャンプ”を謳えば、花見がてらに4月上旬に集客ができる。なかなか鋭いアイデアだったといまさら思う。

◆桜といえば、お世話になった写真家の間瀬明さんは、日本全国の桜を撮って、壮大な計画を実行された。2012年に、ワシントンの博物館で桜の写真展を行なった。2012年は、ワシントンに日本から桜の木が送られて100周年だった。その撮影の中で、いくつか不思議な体験をされたそうだが、中でも樹齢300年の桜の木と出逢ったとき、桜の木が、「よくきたね」と言ったという話は、ジ~ンときた。木がしゃべるわけはないけれど、300年間、ジッとそこで世間を観ていた桜の木なら、そのくらいしゃべっても不思議はないかもしれない。

◆八王子にはそこまでの桜はないけれど、周囲の木々や咲き乱れる花に比べて、桜の存在感は圧倒的だと改めて思った。その間瀬さんは、F1を統括していたバーニー・エクレストンとも懇意で、日本にF1GPがやってきた1976年に誘致に尽力されていたが、できれば日本GPを春にやりたかったと仰っていた。バーニー・エクレストンを始めF1関係者に、桜を見せたいからだった。

◆というとこで、東京オリンピック、春にやればいいなと思う今日この頃。

photo by [STINGER]

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