F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

一番好きなドライバー

同姓同名の息子と。Jr.がF1に参戦していた2年目の2009年、シンガポール空港のラウンジで。

◆色んな意味で、ネルソン・ピケが一番好きだ。レースフリークとして名高い本田技研の川本信彦四代目社長も、ネルソンがお気に入りだったと言われるし、写真家の間瀬さんがネルソンと懇意にしていたことでお誘いいただいて一緒に食事もしたし、『GPX』の編集部にも来てくれたし。

◆もちろんそれだけではない。ドライバーとしてのポテンシャルもレースも人生も、総てに自由奔放でスケールの大きな思考回路が最高。だから一番だ。

◆1996年にルマン24時間に参加したとき、「どうしてルマンに?」と聞いたら、「友達が一杯出てるから、“やぁ”って言いに来たんだよ」だって。冗談ではなく、本気でそう言った。このスタンスがいい!!

◆1978年から1991年まで、マクラーレン、ブラバム、ウィリアムズ、ロータス、ベネトンで活躍。ワールドチャンピオンに3度輝いた。

◆世界中に彼女がいた。モナコGPの時に、第一期ホンダF1の監督だった中村良夫さんとインタビューをお願いして、モナコ湾に停泊しているクルーザーの上で話を聞いた。その大型クルーザーのリヤ・デッキには、ヘリコプターが乗っていた。

◆新築した家の寝室にはシャワーが二つあった。「終わった後に、待ってるのが嫌だから」というのがその理由だった。

◆1986年-1987年のウィリアムズ・ホンダ時代、中でも鈴鹿にF1GPがやってきて、中嶋悟がデビューした1987年が最も印象的。ハンガリーGPの1コーナーで、タイヤが太くてハイグリップの近代F1では考えられないフルカウンターでアイルトン・セナを抜き去ったシーンも衝撃的だったけれど、忘れられないのは、ベネトンに乗っていた最後の1991年開幕戦フェニックスのアメリカGPだ。

◆ネルソン最後の1991年は、ベネトンと“契約金はポイントで計算する”、という前代未聞の契約をした。これもピケならでは。同じブラジルのアイルトン・セナのように、常に全力を出すのではなく、気が向いた時だけ本気になる。1991年は、そういう契約だったので、比較的本気が多かった。

◆その開幕戦のフェニックスで見せた神業。ネルソン・ピケの動物的な反射神経の凄さに唸った。

◆ブラインドの最終コーナーで、ウィリアムズのリカルド・パトレーゼがスピン、鼻先をコース上に残す形で止まった。直後に差しかかったピケ。接触必至と思われたが、寸でのところで回避した。

◆ウィリアムズのフロントウィングに当たりそうになったリヤタイヤを、姿勢を、瞬時にコントロールして姿勢を変えて接触を回避した。人間技ではなかった。当時、多分100回くらいこの動画を繰り返し観たと思う。

◆テールを左コーナー内側に振り戻す神業。直後に来たチームメイトのロベルト・モレノは、ウィリアムズのフロントに突っ込んだ。モレノも下手なドライバーではないことから、ネルソンの凄さが証明された。

◆現在のF1は、それはそれで楽しめるけれど、マシンが進化して、ドライバーのこうした力が観られるチャンスがほとんどなくなったのが残念だが、それがかえってピケの凄さを現すことになっているのかもしれない。

photo by [STINGER]

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