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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

ザナルディ夫妻


◆ザナルディに初めて会ったのは1986年。当時、ミナルディ(スクーデリア・アルファタウリの前身チーム)の佐々木正マネージャーの紹介で、イタリアGPの翌日に、ダラーラのガレージに近いカートコースで初対面。はにかむようなシャイな18歳の少年は、しかし、ステアリングを握ると果敢な性格なのだった。

◆1991年にF1にデビューしたが、なかなかうまく行かなかったが、アメリカに渡ってチャンプカーに転身すると、見違える活躍で、1997年と1998年に連続チャンピオンを奪った。

◆しかし、再びチャンプカーに戻った2001年のラウリッツ・リンクで、両足を失うアクシデントに遭遇する。このアクシデントには後日談がある。

◆医師団は両足を失ったショックを和らげるために、ザナルディを昏睡状態のままにした。ザナルディが眠り醒めたのは、事故から4日目。奥さんのダニエラが、辛い状況を伝える役目を受け持った。

◆両足を失った現実を聞いたザナルディのショックは想像にあまりある。伝える夫人の辛さも同様だ。しかし、ザナルディの反応は違った。

◆ザナルディは、とても気分よく麻酔の覚醒から覚めた。あまりの気分の良さに、傍らのダニエラに、”ここは天国?”と聞いた。ダニエラは嗚咽を押し殺して、”天国じゃないわ。アナタは生きているのよ”と優しく語りかけ、そして気丈に続けた。”でも、両足がないの”。

◆世界中が凍りついたような瞬間だったが、ザナルディは、彼女を見てこう言ったのだ。「キミと息子がいる。他のものはいらないよ」。

◆話はそれだけでは終わらない。ダニエラは、同じベルリンの病院に入院していたアクシデントの相手であるアレックス・タグリアーニを見舞い、ザナルディに衝突して責任を感じて落ち込んでいたタグリアーニに言った。「アナタが悪いんじゃない。一生懸命避けようとしてくれたから、アレックスは生きているの」。

◆ザナルディの強さは、もちろんだが、ダニエラも、気丈なマインドの持ち主なのだった。

#forzaarex

photo by BMW

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