ハミルトン、ご乱心!?
◆6年連続のワールドチャンピオンが、迷い道に入っている。
◆今回、レッドブル・リンクに到着したルイス・ハミルトンが、メルセデスのモーターホームから最初にYou-Tubeで伝えたのは、人種差別問題だった。
◆それ自体は立派なことだけれど、本業がおろそかにならないかと気になったが、偶然かもしれないが、今回は予選もレースも、チャンピオンとは思えない状況が重なり、ズボシになってしまった。
◆特にガッカリしたのは、アルボン+レッドブル・ホンダとの接触。右コーナーで並んだアルボン+レッドブル・ホンダが、立ち上がりで確実に前に出て、ハミルトンの視界に完全に入っている状況でアルボンの居場所を一車身空けることなくぶつかった。チャンピオンとしてあるまじきミス。
◆当たったのは、アルボン+レッドブル・ホンダの左リヤタイヤとハミルトン+メルセデスの左前輪。つまり、ハミルトンからは完全に見えていた。
◆あの当たり方だと、アルボン+レッドブル・ホンダが弾かれてスピンして、自分の方には被害がないことは、ハミルトンなら分かったはず。それで避けなかったことに対して審議がかかり、ペナルティが課せられたが、たった5秒は、甘すぎると思った。
◆対するバルテリ・ボッタスは、冬の間に厳しいトレーニングでフィジカルを鍛え、メンタルの指導も仰いで2020シーズンの開幕を待っていた。そして、勝った。
◆ルイス・ハミルトンが、チャンピオンらしく、毅然とした態度で、F1ドライバーがメインの仕事であることを思い出してくれることを祈りたい。そうでないと、ミハエル・シューマッハの7度のワールドチャンピオンを越えるどころか、F1ドライバーとして終わってしまう。
◆人種差別問題を、世界中の人が観ているF1GPの場で訴えるアイデアは素晴しいが、素のルイス・ハミルトンに立ち返って、まずは本業を完遂してこそ。
◆その姿勢で、7度目のワールドチャンピオンを目指してくれますように。
photo by MERCEDES