ゴードン・マーレイの職人技T.50!!
◆8月4日17時(日本時間翌5日01時)から、ゴードン・マーレイ・デザインのウェッブサイトで、マーレイが集大成として完成した“究極のスーパーカーT.50”の発表会が行なわれた。
◆なにせ、インタビューした数年後のグッドウッド・フェスティバルofスピードの会場で、遠くから走ってきて、「来てたんだね、楽しんで!!」とわざわざ言いに来
てくれたナイスガイ。すっかり友達面させていただいちゃっているゴードンだから、ということには関係なく(当たり前だ)二重丸の注目グルマである。
◆発表会は、ゴードン・マーレイが1963年にデザインしたロードゴーイング・オープン2座席スポーツカーのT4に乗った元インディカー・ドライバーのダリオ・フラ
ッケッティが、ゴードン・マーレイ・デザインのオフィスを訪ねるところから始まり、フランケッティの軽快なトークで進んだ。
◆フランケッティはまず、オフィス内のミュージアムで、軽くマーレイの作品を見渡し、隣の部屋に展示された“T.50”とゴードン・マーレイを紹介する。
◆マーレイは、基本コンセプトが徹底した軽量コンセ
プトだったこと、そしてタウンユーズを含めて運転が楽しくなるドライバーズカーであること、コスワースとXトラックが、素晴らしエンジンとギヤボックスを作ってくれたことなどを紹介した。
◆T.50のスタイリングは、ピーター・スティーブンスにポディワークのデザインを委ねたマーレイの前作のマクラーレンF1とは違うスタイリングをしている。T.50
の最も印象的な造形は、空気を吸い出してリヤのダウンフォースを高めるあの“ファンカー・ブラバム”を参考にしたサクション・ファンが着いたリヤビューだが、ガンダムに影響された最近のスーパーカーの角張ったシマイプとは大きく一線を画し、丸みを帯びた独特のシェイプが特徴だ。
◆エンジンは3994㏄のV12。マーレイは、「音を考えると自然吸気しかない」と、これまでナイスな思考回
路で、180kgを切る軽量に仕上がったコスワースV12を紹介した。
◆カンファレンスの中のコメントで、最もウケたのは、「これまで、でかいクルマと重いクルマは作ったことがない」というコメント。なんて素敵なの。小型軽量ハイバワーが大好きなオレは、ますますゴードンのファンになったのだった。
◆世の中、なんでも便利になって、しかしその分尻軽になっていく。専門店が姿を消して、コンビニとスーパーマーケットが幅を利かせている。便利なのはありがたいけれど、便利ならなんでもいいのか、という心配が日に日に強くなるそんな世の中に、職人が作り上げたT.50は、一服の清涼剤のように心に沁みる。
◆インスタントエンターテイメントではないホンモノ。しばしば使わせていただいているこの“インスタントエンターテイメント”という言葉、実は最初に使ったのは何を隠そう、ゴードン・マーレイだったのだ。
photo by GORDONMURRAYAUTOMOTIVE