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胸の透くF1GP、70周年記念に相応しいレースを観た!!

オフィシャルのみなさまも、お疲れさまでした!!

◆70周年記念GPとはよく言ったものだ。1950年にF1GPが始まったのがシルバーストン・サーキットだったというのも、改めて頷ける気がしたが、王者メルセデスを追い詰めて、コース上で抜き去ったフェルスタッペンのレッドブルに搭載されていたパワーユニットが、日本のホンダ製だったことも手伝って、久々に観た“胸の透くレース”だった。レースはこうでなくちゃ!!

◆タイヤの使い方が最初から最後までテーマだった。ピレリが供給する3種類のタイヤが、絶妙のアイテムとしてレースを面白くした。ピレリは、同じシルバーストン・サーキットなのに、変化をつける意味で先週のイギリスシGPと今回の70周年記念GPに供給するタイヤを同じにしなかった。ピレリのレーシング・マインドに感謝だ。

◆別のタイヤを作るためには、徹底したコンパウンドの調査から、ゴムの配合など、面倒な手順を踏む必要があるが、敢えて先週のシルバーストン・サーキットに届けた3種類を、1段ずつ柔らかくして供給した。

◆1段ずつ柔らかくしたと一口に言っても、チームにとっては、先週のデータを参考にはするものの、新たに、金曜日と土曜日の午前中の合計4時間のフリー走行で、タイヤの特性と対磨耗性などを、自分たちのクルマとのマッチングをやり直す必要がある。

◆もちろん、ドライバーも、フィーリングを探ってレースに活かすべく、神経を尖らせて金曜日と土曜日を走り、レースでは、そこで得た感覚を最大限活用して、ゴールまで、いかにタイヤをもたせつつ、さらに速いラップで走ることを考えなければならない。

◆いや、いつものレースでもその作業は行なわれているのだけれど、シルバーストンが、フラットの超高速コースであることで、いつもより分かりやすく見ているこちらに伝えてくれた。

◆先週のイギリスGPの最終ラップに、ハミルトンとボッタスのタイヤが申し合わせたようにバーストしたことを思い出しつつ、まさに手に汗握って最後まで目が離せなかった。

◆レースのスタートタイヤでアタックする予選のQ2で、フェルスタッペンは、最も固いハードタイヤを使った。トップ10はそこで使ったタイヤでスタートしなければならなかったが、それがレッドブルの戦略だった。

◆フェルスタッペンは、レースをリードするメルセデスの2台の背後で粘りのレースを進め、52周レースの33周目にピットインしたフェルスタッペンは、ボッタス+メルセデスをすぐにパスしてトップのハミルトンを追い、最後は、リヤタイヤに明確なブリスターの穴が空いたタイヤで苦しむハミルトンを追い詰めて下してゴールした。

◆王者メルセデスを完全に下したレッドブル・ホンダとフェルスタッペン。これほど明確な力の差を見たのはイツ以来だろうか。

◆メルセデス退屈症候群から救ったという意味でも、今日のフェルスタッペン+レッドブル・ホンダは見事だった。

◆超高速シルバーストンを、歴史的にだけでなく、こういうコースを考えたイギリスという邦を、改めて見直した。

photo by SILVERSTONE

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