500円
◆『巷のリアルマネー』というテレビで、“記憶に残る金額”というテーマで、街角インタビューをやっていた。「300万円」=これまでマック製品を買った金額とか、「19万円」=バイト先の居酒屋の最高請求書とか、面白い数字が出てきたが、オレの場合は「500円」だ。
◆40年近く前になるけれど、渋谷で開催中の友人の写真展に寄ってから、文京区の勤務先にいく予定にして、住んでいた阿佐ヶ谷駅から定期で電車に乗って気がついた。財布を忘れている。新宿から渋谷までの電車賃がない。
◆さて困ったと思ったが、思い出した。鞄の中をガサガサやったらありました、宝くじ!! 10枚組なので少なくとも200円は当たる。会場にいけば、知り合いに事情を話してそこから先は貸してもらえると思って、新宿で降りて東口のビックカメラの前の宝くじ売り場を目指した。
◆これで200円、と一安心して宝くじ売り場のおばちゃんに渡したら、「500円当たってます」と言われて、思わず「え~っ、そんなに当たっているんですか!!」と絶叫して通りがかりの人が、一斉に振り返って赤面の至り。
◆ところで最近、宝くじ売り場を見かけない。新宿の赤面売り場もいまはない。調べてみたら、2005年度には1兆1047億円もあった売り上げがどんどん落ち込んで、2017年には7000億円台に落ち込んだのが売り場減少の理由らしい。
◆そういえば、宝くじはほとほとツキがない。当たらないんじゃなくて、当たったのに、ということもあった。
◆組違いだかなんだかで10万円当たったことを、ご丁寧に組と番号をメモしていた手帳で確認して喜んだのだが、肝心の宝くじが見つからなかった。オマケに数年後に、しまい込んでいた机の引き出しの奥から出てきて、色めき立ったけれど、糠喜びだった。当選金の受け取りは発売終了から1年間だった。以来、宝くじは買っていないけれど、久々に買ってみようかな。
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