F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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トト・ウルフの深慮遠望

監督のドライバー愛!?

◆金田正一という監督がいた。カネヤンの愛称じ親しまれた唯一400勝を達成した名投手として知られ、引退後は、ロッテオリオンズの監督としても活躍した。F1に関係ない? いやいや大ありなのだ。

◆その金田監督が、試合後のインタビューで、試合のキモになるところでエラーをした選手をボロクソ口に罵ったことがあった。あまりの罵詈雑言で金田監督が酷い人だと思ったのだが、実はカネヤンには深慮遠謀があった。

◆もし金田監督の罵りがなかったら、エラーをしたネタを新聞記者たちが喜こんで書くことを金田監督は深読みしていたのだ。翌日の新聞には、『選手を罵る監督』、というタイトルの記事が出た。エラーした選手は、必要以上に落ち込まずに済んだ。カネヤンの愛の気遣いの勝ち!!

◆メルセデス-AMGペトロナスのトト・ウルフ代表が、ボッタスのメルセデスに激突したラッセルを厳しく糾弾するコメントをしたのを見て、カネヤンを思い出した。

◆ジョージ・ラッセルは、ルイス・ハミルトンの引退後に、メルセデス-AMGペトロナス入りすることがほぼ決まっていると言われる。いわばメルセデスにとってだけでなく、F1にとって金の卵。ラッセルはレース翌日、アクシデントの責任が自分にあることを謝罪するステイトメントを発表しているが、これはメルセデスのトト・ウルフがアドバイスしたに違いない。

◆ラッセルは、頭脳明晰なドライバーだが、2月に23歳になったばかり。当然、反省はしていることは間違いないが、まだ大学を卒業したばかりの年齢であることを考えると、アクシデントの翌日に非の打ちどころのないステイトメントを作成することは無理だろう。マイナスイメージを払拭しておくことは、非常に重要なことであることを知っているウルフの指導力が光った、ということだ。

◆かくて2021年第2戦エミリア・ロマーニアGPは、モーターレーシングが、“チーム戦”であることを再認識させたレースとして、F1GPの歴史に書き残されることになった。

photo by formula1.com

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