マクラーレンの名コンビ!?
◆通常、F1チームの2人のドライバーの序列の着け方には、いくつかのパターンがある。
◆たとえば、メルセデスは、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスを、ハミルトンを№1、ボッタスを№2と位置づけ、レースでは№2が№1をサポートする。ボッタスは、自分の成績よりも、“チーム”としての闘いを優先し、たとえばピットインのタイミングはもちろん、時にはコース上で、自分のぺースを落としても、ハミルトンにポジションを譲らなければならない。
◆また、2人をイコールに扱う“ジョイント・ナンバー1”という考え方もある。1986年のネルソン・ピケとナイジェル・マンセル、1988年のアイルトン・セナとアラン・プロストが最たる例だ。チームは二人を自由に闘わせることを想定して、契約書にもそれが明記されていた。
◆行儀のいい日本人なら、契約書に従うが、ブラジルやイギリスではそうはいかない。ブラジル人のピケやセナ、イギリス人のマンセル、フランス人のプロストは、お互いに肘をつっぱって、チームメイトに道を譲ることはなかった。
◆結果として、自我がぶつかりあって、際どいニアミスや接触に発展した。“ジョイント・ナンバーワン”は、両刃の剣なのだ。
◆しかし、契約書を見たわけではないのであくまで想像だが、今年のマクラーレンはジョイント・ナンバー1のはずだが、ふたりの関係は、ここまでまったく危なげがない。スペインGPまでの4戦の成績は以下の通りで、ベテランと呼べるダニエル・リカルドと、去年F1にデビューしたばかりのランド・ノリスは、お互いをリスペクトしあって実にうまくやっているように見える。チームにとっては、申し分のない状況だ。
◆しかし、ちょっと意地悪な視点で眺めると、まだまだシーズンは始まったばかり。別格の速さを見せているメルセデスとレッドブル・ホンダに、中団グループが追いついてきている状況から、2チームと中団の差がさらに詰まって、マクラーレンが優勝争いに絡むようになると、事情は変わってくるかもしれない。
◆さて、このふたり、シーズン後半に、いままでのように仲良しでいられるのかどうか。外野としては、ピケ-マンセルやセナ-プロのような“バトル”の勃発を期待する不謹慎な思いもあったりしますけど。
◆どちらしても、今年のF1、色々な視点から眺められて、実に面白い展開じ進んでいる。まだ23戦中の4戦が終わったところだと言うのに、ドキドキが止まらない!!
Photo by McLaren