古きを知り新しきを楽しむ
◆最近のF1は、面白いレースが続いている。5日に決勝を行なった第13戦オランダGPもその例に洩れなかった。いや、例どころか、ここまでの今シーズンで最高の展開で、文字通り手に汗握る凄まじい闘いだった。お時間ある方は、こちらのライブタイムメモをどうぞ。
◆何が面白かったかというと、まず、母国GPのフェルタッペン+レッドブル・ホンダ1台vsメルセデス2台の闘い。それだけでなく、4位にピエール・ガスリーのスクーデリア・アルファタウリ・ホンダが食い込んで、改めて才能を見せてくれた。
◆フェルタッペンのチームメイトのペレスは予選アタックをイエローフラッグに阻まれ、さらにクラッシュしたマシン修復を行なったことでピットスタート。フェルスタッペンはポールポジションを奪ったものの、ハミルトン+メルセデスが38/1000秒差でグリッドの横に並び、3番手には僚友のボッタスが着けた。要するに、メルセデスは、“作戦”が立てられるが、フェルタッペン+レッドブル・ホンダはひたすら逃げるしかなかった。
◆フェルタッペンが、36年ぶりのオランダGPという見えないプレッシャーにさらされていることも手に汗握った理由のひとつだった。
◆そして、会場のザンドボールド・サーキットが、鈴鹿サーキットと同じ、フーゲンホルツというデザイナーの作品であることも、親近感を誘い、今年中止になった鈴鹿の日本GPへの哀愁というか、そんなイメージもあった。
◆極めつけは、ホンダにとってザンドボールドは、思い出のコースなのだ。というのは、ホンダがF1GPにデビューした1964年8月1日のドイツGPを前に、市販車の販売でヨーロッパに進出したホンダの拠点アムステルダムから20kmという至近距離だったことから、和光研究所から空輸されたRA272の初テストを行なったコースだったのだ。
◆歴史を振り返りつつ現在のF1GPを見物するというのはかなり贅沢なことであることを改めて感じた。ホンダF1のルーツは、こちらで、どうぞ。
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