人恋しい雪の夜
◆本日は、三男が食事に来た。手巻き寿司をいただきながら話す内容は、いつも通りだが、いつもちょっとだけ新しい展開がある。親子だけれど、いや、親子だからこそ、意見の違いがあって、その意見のやりとりが楽しい。カッコつけて言うと、ディベートだな。
◆三男は、折り紙から派生して、本の頁を折る『BOOK FORLDING』の世界で活動している。勝手な解釈で、いつものようにこちらの編集と同じく“クリエイティブ”な作業であることに話が及んだが、他人行儀だと議論になる前に遠慮のブレーキがかかるのかもしれないが、身内や親しい友人だと、議論になりつつ言いたいたとを言えるので、結果として建設的な気分になる。
◆いずれにしても、誰かが来ると嬉しい。そう思うのは、キャンプ場の御曹司(本来の意味ではなく、単に長男て意味だけど)として、かきいれどきの7月から9月上旬にかけての土日は、500人ほどのお客さんで賑わい、当然、経営者の父親の機嫌がいいという、そういう境遇で育ったからだ。
◆その反対に、日曜日の午後には、そのお客さんがすっかり帰ってしまう寂しさを幼少期から刷り込まれたために、誰かが“帰る”ことにえも言われぬ寂しさを感じてしまう。
◆高校時代の友人にそのことを話したら、“誰でもそうだよ”と言われた。境遇のせいにして自己完結していたけれど、基本的に、誰でも人恋しいのだなぁ、と改めて感じたことを思い出した雪の八王子。
◆雪は、とっくに降り止んで、ベランダの塀の上がうっすら白いだけだけれど、辺りがやたらと静かなことに気がついた。
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