ピンボケ自動車論!?
◆19時30分から放送なので『報道1930』という番組を教えていただき、録画をYou-Tubeで観た。
◆ソニーグループが本格的に電気自動車の分野に進出したというニュースを受け、“ソニーカー”がどんなものになるのか、さらにトヨタの章男社長が12月14日に語った『全方位戦略』の本当の狙いは何か、という二つのテーマで番組は進んだ。
◆しかし、司会役のキャスターを始め、前経済再生担当大臣、経済ジャーナリスト、家電大手メーカー出身の大学教授の4人の出演者がクルマの基本が理解できていないことが露呈される内容から、日本での自動車の理解を再確認させられて愕然とした。
◆彼らは自動車をシロモノ家電と同列に捉えていたからだ。基本的にピントがズレているという意味で、豊田章男社長も同じジャンルと言える。いや、普通の日本人の多くが同じように考えているのかもしれない。
◆しかし、クルマとシロモノ家電はまったく別モノ。最大の違いは、走ること。つまりは自動車メーカーは命を預かっている。もちろん、家電も安全に対する高い意識とそれを製品に落とし込むテクノロジーが必須だと思うが、人の命を預かるレベルで自動車は圧倒的だ。
◆一方で、クルマが単なる鉄の箱ではなく、走ることによる楽しさを提供する媒体なのだが、彼らの意見には、その自動車の基本の基本が抜け落ちていた。もちろん、自動車は日本の基幹産業であり、4人が語った経済的側面は重要だが、逆にいえば、基本的に動かない(走らない)家電と自動車は、成り立ちがまったく違う。冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも、自動車のように走ることはない。
◆走るから自動車だ、という当り前の話を、テレビに出演して自動車を語るなら、まずはクルマが走るものだという認識を持ってほしいと改めて思った。
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