降り出した雪からの中止!よりも
◆友人と九段下で待ち合わせて、降りしきる雪の中をエコラン参戦のために富士スピードウェイに向かい、近くのホテルに前泊してスタンバッていたら、路面凍結でリスキーという安全の問題で、午後3時にスタートする明日のイベントの中止が決まった。はぁ〜、明日の朝まで、何して時間を潰せばいいのやら!?
◆というのが2023年2月10日の夕刻の悩みだった。けれど、銭湯に入ったり、テレビを観たり、そのうち暇つぶしにも飽き始めたところで、スウェーデンで行なわれているWRC第2戦で、勝田貴元選手がラリー2日目午前中のSS4でトップタイムを記録したってんで、そのニュースから、“なにして時間を潰せばいいのやら!?”どころではなくなった。
◆原稿を書き上げて【STINGER】に公開して、足が冷えて攣りそうになったので、ポカリスウェットで凌いで風呂で温めたところに『続報』が入った。
◆その勝田貴元選手が、すさまじい高速で雪の壁に引っかかって大転倒!というのを栗田香織ちゃんのつぶやき(絶句してたけど)で知り、まるでスクラップのようなマシンを見て腰を抜かした。
◆しかし、いろいろ情報を集めていたら、ドライバーとナビは無事でまずは一安心。だったが、マシンはまったく違う車種、というか、外観が、転倒の“瞬間板金”で文字通り原型を留めない壊れ方をしている。
◆今シーズン、チームメイトのセバスチャン・オジェと交互にステアリングを握っている勝田貴元のヤリスは、転がるだけ転がって原型を留めていないにも関わらず、最初に引っかけて転倒の原因となった相手が雪の壁だったことで、衝撃が吸収されたためか、乗っていた二人は、無傷どころか、スクラップの様なマシンをサービス地点までなんとか移動すべく懸命に直している動画に出会った。
◆SS4のトップタイムで速さを見せてくれただけでなく、あのクルマを直してなんとかしようとして、コドライバーと渾身のリペア作業を続ける姿をみれば、琴線に響き、脳裏に染み渡り、心臓が早鐘のように高鳴るところだが、ちょっと違った。もっとショックな出来事が夕食の時に起きていたからだ。
◆窓から見える豚カツ屋の『かつや』に決めて夕食に出かけたのだが、8階のホテルの窓からはホテルのすぐ前に見えていたかつや。だが、本日の部屋は、本館にあるフロントから、しばらく歩いた別館のエレベーターで8階に上がり、さらにそこから廊下を50mほど歩いて辿り着くことを忘れていた。そもそもかつやまでの間に金網があるから、ぐるっと大回りしないと行けない。
◆かくて、足元の悪い中でスッテンコロリンしないように一歩一歩確かめながらなので、2分で行けそうなかつやまで10分ほどかかった。それはいいのだけれど、事件が待っていた。
◆かつやが見えるところに来たら、回転寿司が目に入ってしまったのだ。欲張りのオレは、どっちにしようかではなく、“回転寿司なら、まずは軽くつまんだ後にカツ丼だ”と思わずニンマリしたのだが、それが間違いだったことに、回転寿司の会計の時点で気がついた。
◆まず、マグロの5点盛りが、750円だったので、それを注文したのだけれど、他の寿司3種は、2こで1セットだから平均300円はいいとして、合計3100円。ん? カツ丼入れて2000円くらいの予定だったのに、ビール飲んでないのにどえらく高いと思ったら、実は5点盛り、750円じゃなくて1750円だったのだ!
◆雪で九段下から富士スピードウェイまで3時間コースだったことよりも、明日のレースが路面凍結の可能性を懸念して中止になったことよりも、足が冷えて冷たくて寝られず、挙げ句は久々に足が攣って危うかったことよりも、こうしてベッドを抜け出してパソコンに向かっていることよりも、回転寿司に一人で行って、過去最高額を記録したことが、今回最大の収穫、いや、損失だ(泣。
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