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『村上龍料理教室』に眠っていた宝物–30年気付かなかった思わず涙の事実

◆久々に本棚から引っ張りだして村上龍を読んだ。1994年に初版が発売された『龍言飛語』。当時、世界を巡っていた龍さんのエッセイ集だ。当然F1GPの話も出てくるのだが、その中に私のことを紹介してくれていたのだった。30年間知らなかった。

◆思えば、1987年のポルトガルGPに龍さんが見物に来ていたのを発見し、早速、パドック一美味しくて、セナもちょくちょくランチを食べに来ていてたミナルディ(現在のアルファタウリ)のモーターホームにお連れした。それがきっかけで、その年のシーズンオフに、やがて連載をはじめる月刊ペントハウスの編集者と連れ立って、GPX編集部に龍さんがやってきて、「連載を始めるので」ということで、取材パスの手配を頼まれた。FIAのFAX番号と担当者を伝え、見本誌を送って算段する手順をお伝えしたが、“慣れないことなので、GPXとしてパス申請をして一緒に行動をお願いできないか”ということになった。

◆それでは、と交換条件に、GPXへの連載をお願いして交渉成立。翌1988年の13戦を龍さんと一緒にF1GPを回ることになった。思い出はたくさんあるけれど、すっかり忘れていた。さらに、『龍言飛語』にこんなことを書いていていただいていたことをまったく知らなかったので、嬉しさも一入だったのだった。

◁こちらは、1994年発行の『龍言飛語』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆お蔭で今日、嫌な思いをした出先での胃液が逆流するような酸っぱい出来事が払拭できた。世の中、無神経な輩がいることを忘れることができてすっきりした。

これに載せていただいたのは知っていた。

◆30年もひっそりとこういう日のために待っていてくれたと思うと、世の中うまくできていると、宗教心も信心の欠片もないのに神に感謝したくなった。神様ありがとうございます。

◆それをきっかけに、『村上龍料理小説集』を書棚から引っ張りだして付箋の貼ってあるページを開いた。付箋は2カ所。ひとつは1988年のルマン24時間の蛇女のこと、もうひとつは、マルセイユの海沿いのレストランの、2人分で魚介1kgを使うというブイヤベースの話。どちらも女と一緒か一人で行ったと、初出の月刊『ペントハウス』の時から表現されている。けれど、一緒だった女とは、実は私だったのだ。マルセイユのブイヤベースは、まぁ、一人前じゃ魚介1kgは使わないよ。

◆ということで、そのページを写メして、妹と弟、息子たちに自慢してメッセージで届けた。身内はいいねぇ、手放しで喜んでくれた。

◆しかし、そんなことより今日の問題は、ジン&ソーダを飲むための、炭酸水が切れてしまったことだ。

Photo by 【STINGER】

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