F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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トヨタ博物館の2階と3階

◆知り合いのフェイスブックにズケズケと乗り込んで、モーターレーシングの話題で盛り上がった(見崎清志さん、ごめんなさい)。いろいろな意見の中でいきついたのは、”大衆車も悪くない”というところだった。

◆そこで一端落ち着いたのだが、そこからさらにオフセットして、考えていることを書き込もうと思ったけれど、人さまの庭なので、ほどほどにしてこちらに場所替え。以前もどこかに(というかあちこちで)書いてたことがあるが、トヨタ博物館の2階と3階の話である。

◆トヨタ博物館は、現在がどんな形になっているか情報未確認だが、10年ほど前に見物した時は、1階がロビーで、2階がアル・カポネまでの超高級車、3階がT型フォード以降の大衆車に分かれていた。2階は、まさに憧れのクルマが並んでいた。そこを眺めたクルマ好きは、満足な気分で3階に上がって、愕然としたのである。

◆3階のクルマは、ほぼ、現在のクルマである。現在の日本車のほとんどがここに属している。その”オートメーションで大量生産された”クルマたちを観て非常に複雑な心境になった。

◆3階のクルマを眺めていて二つのことに気付いたのだ。”大量生産のおかげで値段が下がり、オレもクルマに乗れるようになった”ということと、”大量生産のおかげで、オレが大好きだったクルマが、公害と安全の問題で悪者にされた”というまったく正反対のことだった。

◆安価で誰にでも手に入る、という状況は、ありがたいようで、実はどうよ、という視点からすると、回転寿司もコンビニもファミレスも、結局は自分たちの首をしめるかもしれない。インスタントエンターテイメントが大好きな日本人(含むオレ)。世の中、必ずどこかでバランスが取れるんだなぁ、ということを、トヨタ博物館は教えてくれた。

◆残念ながら、多くの自動車メーカーが売ればいい、と思っていることの間違いに、まだ気付いていない。

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