驚愕の噂話–その3
(驚愕の噂話その2から続く)
◆ご存じの方もいると思うが、富士は最初、オーバルコースとして(☞)建設が始まった。途中で事情が変わって通常のロードコースになった。そもそも、富士サーキットではなく、富士”スピードウェイ”という名前からして、アメリカの発想だったのだ。
◆しかし、考えてもてほしい。オーバルはちびっとでも雨が降ったらレースはできない。なのにオーバルを天候不順の場所に造った裏に、いったいなにがあったのだろうか。そのことはここでは関係ないが、その後、ロードコースとして誕生した富士スピードウェイで、「雨」が幾度となく、富士のリスクを語る伝説を創ってきた。そのことを、「大会社(=事前調査を完璧に行なうはず)」であるトヨタがどうして気付かずに買収してF1を呼ぶことにしたのか。これまで富士でF1は都合4回行なわれているが、そのうち2回が土砂降りである。リスクというにはあまりに素人レベルの高確率。それに気付かずに買収に走った裏に、無責任とサラリーマン根性が見え隠れしている。
◆富士の経営にトヨタが乗り出した陰には、焦りとサラリーマンという二つのキーワードが見える。売り上げで大きな会社になったが、隣を見たら、規模は小さいがエネルギッシュなホンダという会社があった。その元気の源はどうやらモーターレーシングらしいと気が付いた。
◆実はトヨタにも十分エネルギーはあって、クルマをちゃんと理解している社員もいるわけだが、世の中ではどうしてもトヨタというときちんとした質素で味気ないしっかりした会社というイメージがあり、そいつを払拭したい(とたぶん)奥田社長(当時)は思った。だからF1参戦をぶちあげ、富士の経営に乗り出し、そして ナンバー付きのヴィッツレースも始め、「こっちも元気だぜ」と訴えたかった。しかし、「社長のおことばだから」という以外に、担当社員の方々にモチベーション を感じる存在には、ごく一部 を除いてお目にかったことない。
(驚愕の噂話–その4につづく)