第4回GCスロットカー大会
マシン1/24スケール。手は1/1の高橋晴邦さんの”本物”。
◆2月19日土曜日は、尾山台のリンドバーグでGCドライバーのスロットカー大会。幹事の鮒子田寛さんに出席をお届けしたときには、F1テストのスケジュールが見えていなかった。だが、普段の行ないのよさから、ズッポシとそこにハマった(笑)。朝6時半まで作業して、3時間寝て、原富治雄さんとの待ち合わせを反故にして電車で尾山台。
◆今年も、そうそうたるメンバーが、環八沿いのスケールカーとクルマの本の宝庫”リンドバーグ”の半地下に鎮座するスロットコース”リンドバーグ・レースウェイ“に集結した。主催はMFC(Modelcar Racing Fan Club)。いくつになっても男はおもちゃが好きであることを、真摯に継承するメンバーの方々のお膳立てで、やっぱりおもちゃが好きないい歳の大人が集まるのであった。
◆”GC同走会”(←極めつけのオヤジギャグなタイトル)は今年で4回目を迎えるが、本物ドライバーは今年も豪華だ。
関谷正徳+伊太利屋ロータリー・マーチ75S
高橋晴邦+ウォルターウルフ・シェブロンB36
津々見友彦+ピロビタン ローラT290
寺田陽次郎+シェブロン マツダB36
長谷見昌弘+アルピーヌ ルノーA441
鮒子田寛+マルボロサファリ マーチ75S
柳田 春人+日産フェアレディ240Z SP
マシンは1/24スケールスロットカーだが、ドライバーは全部、1/1スケールの本物だ。少し古くなってはいるが(笑)。
▲寺田陽次郎さんと高橋晴邦さん。
▼上–関谷正徳さんと柳田春人さん。下–鮒子田寛さんと長谷見昌弘さん。
津々見友彦さんは、なんと、車載カメラを搭載して走った。自転車大好きな津見さんが、いつもは自転車に搭載しているもの。映像を電波で飛ばしてアイフォンで観るといウマニアックぶりに脱帽。
◆詳細は、初出場にもかかわらず、メインレースでポールポジションを奪うという、子どもみたいにまるっきり空気を読まない状況に対して、うらやましいのはなぜだろうと思わせてくれた藤原さんのページにお任せするが、今年も、寒さを吹き飛ばす熱気ムンムンのイベントであった。
◆当時GCを走っていた本物のドライバーに混じって参加を許された外野組もなかなか充実である。今回は、Qモデルの最上さん、EBROの木谷さん、元スロットカー・チャンピオンのモータージャーナリスト桂伸一さんという、知る人ぞ知る参加者が加わって厚みを増した。
◆まぁ、3名ほど偽物もいる。原富治雄、藤原よしお、山口正己がそれだが、テーマとなっている1970年代GCを、ファインダーを通じて目撃していた、プリント媒体を通して熱く紹介した、金網にしがみついて観ていた、という意味ではまぁ本モノということでお許しいただいて、去年に続いて小生(←死語か–笑)も文字通り末席を汚させていただくことになった。
◆スロットカーは、ご存じのように、コースに切られた溝(だからスロット)にガイドをはめ込んでスケールモデルを走らせる競技だ。規則がいろいろあって、楽しみ方もそれぞれあるが、今回も、2種類のレースが行われた。本物のGCドライバーを中心にしたメインレースと、屋根付きレーシングモデルでの4人一組の40分耐久レースだ。
◆メインのGCレースは、軽量化よりも再現性を重視してあるが、それなりにパワフルなモーターを積んでいて、ラップタイムも5秒台中ほど。耐久レースも、これまた再現性が優先されているが、モーターが大人し目。ラップタイムはコンマ5秒ほど遅くなるが、ふたつのクルマ(というのか)の”差”は、かっこうだけでなく、実車とまったく同じであることに気がついた。
◆本物のレーシングカーにはいろいろ乗させていただいた。そこで気付いたのは、マシンポテンシャルと、プロ/アマのタイム差は精確に比例する、ということだ。性能が低いほど差は出ないが、ポテンシャルが高くなればなるほどプロとアマの差が顕著になる。F1になると、「速く走るプロ/土手に登って転倒する素人」くらい大きくな差になるのだ。冗談ではなくて本当だm(_ _)m。
とりあえず、赤いロンソン2000の私がトップで1コーナーに進入する。トップはここまで(笑)。
◆かくて、GCマシンのロンソン2000では、特に一番Rがきつくなる第1コースを走った時は、その1コーナーで20回くらい飛び出し、リヤ左側の”尾翼”を折ってしまった(ゴメンナサイ)が、耐久レースでは、スピンは格段に減り、それどころか、4回のうち2回もトップでゴールできるのであった。その活躍があって(てか、足を引っ張らなかったので、というのが正しい)寺田陽次郎さんと、MFC会員の方2名との4人で優勝した。
◆勝てた理由は簡単
。性能が低いから全開区間が多くなる。操作が単純になり、集中力が持続するのだ。これは、ダートラのコースの違いにも似ている。
◆高速だが、コーナー入り口でアクセルオフしてテールを振り出し、アクセルコントロールでコーナリングする、というひとつができればそれなりに走れた丸和オートランド那須と、ブラインドコーナーもあり、舗装区間もあってポケットをいくつか持っていないと話にならなかった鈴鹿モトクロス場のダートラの違いである。分かる人にしかわからなくてゴメンナサイ。
◆ちなみに、熱心な連続出場者である長谷見昌弘さんは、青いルノー・アルピーヌを眺めながら言ったのである。「スロットカーは、アンダーステアは出ないから、リヤのグリップが大切なんだよ」。深い。フロントは溝に入っているから当然と言えば当然の話だが、いままでスロットカーでアンダーステアの話をした人はいるのだろうか?
◆そういえば、この青いアルピーヌ・ルノー、長谷見さんの運転で、富士SWの助手席を体験させていただいたことがあった。元々GCに参加したマリー・クロード・ボーモンさんは、その後ルノーF1チームの候補を経由して、今ではファインダー越しにF1GPを観察されている。
◆さて、優勝者なので触れないと叱られる。ということで、連続ウィナーの高橋晴邦さんと私のタイムを比較すると、精神的安定が勝負にいかに重要かがよく見える。例えば、第5コースを走ったときは、晴邦さんと同ラップを走れているが、一番難しいと思った第1コースでは7周も離れている。
◆それにしても、1972年GCチャンピオンの鮒子田寛さんの成績は、幹事の苦労による疲労からのものに違いない。鮒子田さん、ありがとうございましたm(_ _)m。
連続優勝の若きプリンス(当時)の高橋晴邦さん。
宿敵高原敬武さんが風邪で参加しなかったのを”逃げた”とは、言っていませんでしたが。頂上決戦は来年まで持ち越し。