珠玉の7位
◆可夢偉の果敢な、かつ頭脳的なレースに痺れた。
◆え、それだけ? といわれそうだが、痺れた、という以外に言葉が見つからない。何せ、レース中に実況原稿を書いていて、手が震えて書き進めなかったことは初めてなもんで(笑)。
◆終盤、F.アロンソ(あの、フェラーリのワールドチャンピオンです)を抜いたとき、マクラーレンのピットで、”まるで、2位からスタートしたチームのL.ハミルトンがトップに出たときと同じくらい大きな歓声”があがったそうだ。そんなことさせた日本人は、たぶん今までいない。
◆ところでT社は、今年レースを続けていれば、そういうドライバーを支えていることで讃えられただろうに。トヨ、いやT社の中に、そう思って下唇を嚙んでいる人もいるけれど、たいていの場合は、この活躍をどうやって利用しようか、という流れの中に存在している人の方が圧倒的に多いはずで、またぞろ、肝っ玉の小ささでザラザラした気分にさせられるのかと思うと、ちと気が沈む。
◆ちなみに、可夢偉の活躍を、本人を含め、冷静なチーム関係者は、ギャンブルが当たっただけ、と厳しい評価をしているが、可夢偉が、与えられた仕事を完璧にこなし、最後にチャンピオンを追い越すというオマケを付けて、カナダでの欲張った判断ミスからのマイナスを一気に取り返したことは確か。あとは、ザウバーがもっといいクルマを可夢偉に与えてくれることを祈るばかり。