懐かしの”FOCA便”-その2/ミナルディは、”最強のF1チーム”だった
雨の鈴鹿で、ジャンカルロと。二人ともいい表情なので、かなり気にいっている写真。
◆これまでのF1チームの中で、一番好きなのは? と訊かれたら、即座に「ミナルディ!!」と答える。理由は明確だ。
◆モーターホームのエスプレッソがウマイ、パスタが抜群、ということもある。セナもよく食べに来ていたし、レイトンハウスの赤城さんは、イギリス人シェフが作るチームの料理がおいしくないということで、隠れてパスタを食べているのを何度も目撃した。
◆しかし、その後トロロッソに名を変えてよくも悪くも生まれ変わってしまったミナルディが好きだった理由は、エスプレッソやパスタを含めて、”徹底的にイタリア”だからだ。それを理解できた最大の理由は、ほとんどイタリア人と言える佐々木正がマネージャーを務めていて、いろいろ便宜を計ってあれやこれやと教えてくれたからだが、もはやウケ狙いとしか思えない逸話の数々、なのである。
◆その中から、昨日のFOCA便の続きである。ヨーロッパは階級社会であり、既得権が明確だ。FACO便も当然、その例にもれない。前年度のポイントによって、チーム毎に搭載できるパーツの重量が決まっている。当然、トップクラスとは言えないミナルディは、トップチームよりはるかに制限される。なのに、日本行きのFOCA便には、パルメジャーノ・チーズが、チームに許された重量のかなりの部分を占めているのだった。
◆ちなみに、パルメザン・チーズというのが日本では一般的だが、イタリア人は、断固としてパルメジャーノである。パルマで生まれたチーズだからそう名付けられたのであって、勝手にフランスごときに名乗られてたまるか、ということなのだ。というのもササキーニからのウケウリだが、パルメジャーノの固まりは、100kgくらいある。全部は無理なので、半分にする辺りがミナルディ・チームの可愛いところだ。だが、残りを切り分けて、メカニック達のスーツケースに分散して運ばせるのである!!
◆ひたすらおいしいパスタを食べたいがためである。F1のレースよりもそっちの方が大切なのだ。いいでしょ、こういうイタリアンな感覚。
(まだまだつづく)