懐かしのFOCA便・その3 ミナルディな小学生たち
2年ほど前のモンツァで。電話中のジャンカルロ。この人あってのミナルディ・チームだった。チーム代表だから当たり前? いやいや、他のチーム代表とは、一線を画する純粋な人m(_ _)m。ちなみに、真ん中のポロのポロシャツは、テクニカルイラストでお馴染みのジョルジュ･ピオラさん。イタリアには、いろんな人がいる。
◆とある年のアメリカとカナダの連戦。とにかくおいしいものにこだわるチームなので、メカニックやスタッフの食事にも気をつかう。作業が遅くなる金曜日などは、チームが食事を用意する。
◆当時、イタリア人マネージャーとして、日本人だが中身がイタリア人のササキ〜ニこと佐々木正マネージャーとコンビを組んでいたジャイメが、食材調達担当。木曜日のガレージで作業中のメカニックに、”明日の夕食は、肉と海老とどっちがいい?”と訪ねた。言い終わらないうちに、ジャイメは、質問したことを後悔した。“オレは肉!!”、”ボクは絶対にエビだよ!!”、”ニクダ!!”、”エビダ”の大合唱が始まってしまったのだ。
◆ジャイメは、収拾しないガレージで頭を抱えて途方に暮れて、”分かった分かった、わ・かっ・た!! オレが決める!! 明日は海老だ!!”と怒鳴ってその場を立ち去った。メカニックたちは、口々に、”ニクだよ、肉”、”エビじゃなくちゃ”とブツブツいいながら仕事に戻った。
◆翌日の夕食、ジャイメが決めた海老を食べながら、”肉”を主張していたメカニックは、”やっぱり肉が食べたかったよなぁ”とまだ言っていたのだった。まるで子供みたいなイタリア人。
◆ちなみに、イタリア料理を、中華のようにシェアして食うなんて、イタリア人には絶対に考えられない、という意見もある。”自分の食べたいものを自分の意志で食う”自由さが、イタリアンの一番いいところだから、らしい。
