ステファノGP
スティング君とTMGの社員食堂でランチ。ムール貝が美味かった。
◆F1を撤退したトヨタの前線基地TMGのお別れ見物。別れは悲しいが、同時に新たな出会いのタイミングでもあったりする。スティング君が初めて訪問したのは、もしかするともしかして、新たなF1チームだったりして(笑)。
◆第一、ないと思っていたものがあった。可夢偉も、”ないです”と言っていたシミュレーターが実はTMGの奥の院に存在していたのだ。すでに可夢偉は、このシミュレーターに「20回から30回は乗った」というではないか! 報道関係者全員がだまされていたのだ(笑)。
◆木下TMG副社長は、「夏前に、コンコルド協定の議論になったときに、風洞を2基持っていることがチーム間で議論になった。シミュレーターまで持っていることが問題になる可能性があったのでないことにしていたんです(笑)。コンコルド協定が落ちついたので、言ってもかまわなかったんですが、その名残で全員がずっとないと言い通してしまったんですよ」とサクッと笑った。敵を欺くにはまず味方から、というが、TMGの広報部員もその存在を知らなかったのだった。
◆そのシミュレーターもだが、TMG全体を駆け足で見物した感想は、ズバリ一言。「ここまでやってマジでやめちゃうの?」であった。本体のトヨタが手を引いても、MBO(マネージングbyアウト=ホンダからブラウンGPのような譲渡形態)でも残ってほしかった。エンジン開発室や風洞を見ていくうちに、残念な思いは募るばかり。
◆だが、ひとつだけ、暗闇の中に灯が見えた気がした。現在話題になっている”ステファノGPがトヨタに交渉”の噂が正しくて、TMGを視察したかもしれないゾラン・ステファノビッチさんのF1への思いが正当なら、TMGの風洞でテストが繰り返されているTF110が、ステファノ001(?)として2010年開幕戦のグリッドに並んでいる、なんて初夢が見られるかもしれない。もちろん、ステアリングを握っているのは小林可夢偉である。夢なら冷めるな(←覚めるな、ではない—笑)。