極意
◆ジャン・トッドがFIA会長に選出された。”清潔感”で期待していたアリ・バタネンは大差で敗退した。ちょっと複雑。
◆ジャン・トッドは、ラリーのナビゲターから監督に転身出世し、さらにパリダカとルマンでプジョーを勝利に導いてフェラーリのモンテゼモロに手腕を買われた。参謀としての力は保証付きだ。しかし、だからこその”裏”もある。
◆例えば”選挙期間中”に、僅か数十人しか会員のいない国にプライベート・ジェットで”選挙活動”に出掛けたらしい。その国でも1票。500万人の会員を持つ日本のJAFでも1票。もっとも日本の場合、JAFといってもスポーツ部に限れば会員は数万人だが、それでも1万倍である。問題は、数十人のためにプライベート・ジェットの費用をかけて”選挙活動をしたこと”。それができなかったバタネンは破れた。
◆複雑なのは、バタネンが”弱者”と決められてしまったことだ。だが、世の中、強いものが勝ち、強くなければダメというのも事実。正義と弱者と強者と悪人。どれが正しいのかわからない晩秋である。
◆アブダビに完成した立派なサーキットは、傷心を癒してくれるのだろうか、なんちて。