F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集 F1 STINGER 【スティンガー】  > F1に燃え、ゴルフに泣く日々。 >  >     読めればいいの?

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読めればいいの?

◆[STINGER-magazine]の最終入稿チェックのために曙橋のMタMエラに向けて西八王子を出発。電車に乗ろうとしたところでTちゃんから電話。「月末・・・」まで聞いて、アリャッと気づいた。本日月末じゃんね(笑)←笑ってる場合かよ。振り込みせねば、なのであったm(__)m。

◆乗り込んだ電車のドアの前で一瞬ためらったらドアが閉まった。一端電車に乗ってしまうと、なかなか降りる決心が付かなかったが、決断力が強かったら、八王子まで無駄にいくことはなかった。家に取って返して振り込み作業。

◆にしても、校正にこんなに時間がかかるとは。14時に始まった校正作業に遅れて参加したが、帰宅したのは日付が変わった後。その作業を受けて処理が残っているデザイナーはもっと遅いのであった。以前は印刷所がやっていた作業が今では、カメラマンとデザイナーに回っている。して編集は?というと、どうかな。

◆たとえば、原稿校正の作業である。以前は、原稿用紙に書かれた、著者によってはミミズも一緒にしちゃ申し訳ない、というようなへたれ文字(失礼。内容じゃなくてあくまで文字の問題)に、いわゆる”赤入れ”という校正を入れた。文字の間違いや、促音などの指定をして、写植屋さんが間違えないようにして提出したが、今では、そんな作業は必要ない。パソコンの普及で写植は不要になったからだ。凄まじい職人気質の水道橋のウラさん、どうしてるかなぁ。

◆いまではみなさん基本的にパソコンで原稿が届くから、読めない文字は存在しない。K下部Y雄さんが業界で多分一番始めにワープロを使い始めたことは、編集者にとって福音であった。読めなくて苦労しなくて済むようになったからだ。

◆当時、ダイハツワークスのラリーストだったK下部Y雄さんの原稿は、”お”と”あ”なんて当然のこととして、”な”と”る”も見分けが付かなかったのだが、ワープロになってその悩みは一挙に解決(笑)。しかし、パソコンが浸透し始めると、”先進的な”K下部Y雄さんはパソコンにステップアップしたので違う問題が浮上した。ある時のK下部Y雄さんのラリーのレボートに、以下のような表現があった。
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ほとんど間違いな石田正之。
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石田正之とは当時、進境著しかった若手ラリーストである。それにしては、”ほとんど間違い”ってなんだァ・・・?”。字は読めるが意味が分からない。日下・・・いやK下部Y雄さんは、生原稿でなくても難解な原稿を書くのか。編集部内でアァでもないこぉでもない、とやったが埒があかない。知らないと恥ずかしいことかもしれないが、聞くは一時の恥、とK下部Y雄さんに電話して大笑いになった。

◆当時、ワープロを触ったことがある編集部員も多くなかったから、”変換”なんて思いもよらない。”ふ”と入力すると「フェラーリ」と出るとか、”おれ”と入力すると「編集長」と変換されることを知ったのは随分後のこと。なので、”い”と入力したら石田正之と出るなんて、想像もできなかったのだ。

◆結果、労力としては、生原稿と同じだけの手間かかかることになっているのだが、マズいことに、先進技術、とタカをくくってコトを進めていると、あたかも自分が20年前より進んだ仕事ができるようになったと勘違いするようになる。だが、印刷が済んで書店に並んだ本を見れば、大切なのは入稿作業ではなくて、そこに込められた思いであることが分かったりする。PCで処理しようが手作業であろうが、違いは出ない、ということだ。

◆ということで、そういう思いが詰まった[STINGER-magazine]vol2は、ほぼ文字修正に限られた校正に9時間以上かかったということは、要するにそれだけ読みごたえがある、ってことに違いない。”ロス・ブロウンに関するすべて”という銀ピカの表紙の[STINGER-magazine]vol2は、12月25日。給料日の後だし、正月休みにこたつで何か読んでみたい、新たな気分で新年を迎えたい、というアナタにピッタリ—(笑)。

◆あ、J.バトン直筆文字による特製カレンダーノート付きです。ジェシカちゃんに進行中のデザインをみせたら、いたく気に入ってました。

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