先にピットインしたら負け
◆12月14日深夜、つまりは12月15日なので、私の誕生日だが、それを祝って(違うと思う)フジテレビがF1総集編を放映してくれた。深夜だったが、原稿を書きながら思わず最後まで見てしまった。淡々とした解説で面白かった。本番の中継もこうあってほしい(笑)。
◆ただ1点、イギリスGPのレポートの中で、一貴のピットインについて分かっていない説明があった。中嶋一貴はピットイン中にK.ライコネンに前に出られたが、その場面でナレーターは「一貴はアウトラップのタイムを縮められずにK.ライコネンに抜かれた」とコメントした。分かってないよ~。同じペースで走っている場合、先にピットインしたら、よほどのことがない限り、抜かれるという基本を理解してちょうだい。
◆2車が争っていてピットインが後先になると、こんな感じになります。
ピットインのタイム(青線)が同じと想定しても、入る前(ピンク線)と入った後(緑線)では当然後の方が遅いのでこうなる。
*ちょっと分かりにくかったので、グラフを一部修正しましたm(__)m。
◆先にピットインすると、燃料を積んだ分だけ重くなり、タイヤも温まっていないから、ラップタイムは下がる。後からピットインする方は、身軽に1周済ませてピット作業に入るから、ピット出口では先になるのが当たり前なのだ。ナレーターの方(というかその原稿を作った方)には、図をしっかり見て勉強しておいてほていですm(__)m。ちなみにイギリスGPの場合、A車が中嶋一貴、B車がK.ライコネンなので念の為。
◆一貴はそれを知っていたから、レース後に「Q3のワンミスで決まっていた」と答えている。一貴は、予選Q3のアタックで小さなミスを犯して、もう一度アタックして予選5番手のタイムを記録した。この1周がレースで使った燃料の分だけピットインを早めることになった。結果、上記の理由でK.ライコネンに前に出られてしまったのだ。さらにコースに戻ったタイミングが悪く、遅いクルマにひっかかったり、速いクルマに道を譲らなければならなかったり、という悪循環に陥って上位入賞を逃すことになったのだ。簡単に、「アウトトラップのタイムが縮められなかった」のではないのであった。
◆来年は、こういうことをやさしく解説してくれるテレビになってほしいな、と。