自重せよ
◆予定より1日遅れて帰国した。遅れた原因は、恥ずかしくて書けない。以下は、自分の記録として残すためなので読まないように(笑)。
◆イギリスGP翌日をブラックレーとウィットニーのホテルで凄し過ごし、13日火曜日、T川T雄アニイとN嶋K貴とウィットニーで、そぼ降る雨の中をラウンド。寒さに負けてハーフで切り上げ、レンタカーのリヤデッキを空けて帰り支度をしていたらT川さんが、「うちで暖かい物を食っていけ」、とありがたい提案。M子さんがスパゲティを茹でてくれているという。「家はわかるよな」というT川さんに、”大丈夫です”と返事をしたが大丈夫ではなかった。
◆K貴と二人は別々のクルマで先に出発。雨の中で、濡れたシャツを着替えて整理して、リヤデッキを閉め、運転席に乗り込もうとした。が、カギが開かない。キーのロックがリヤデッキと別々になっていることを思い出して、リヤデッキを空けようとしたら、こっちも空かないじゃないの!! リヤデッキのキー解除は、ドアのロック/アンロックと別、一端閉めたらロックされるシステムであった。これがマヌケの1回目。
◆T川さんに連絡して戻ってもらう間に、ゴルフ場に事情を話す。T川さんがメンバーのクラブなので超親切に対応してくれたが、結論を急げば、フライトの時間を考えると、クルマをピックアップしたヒースローからスペアキーの到着を待つかしかない。もう一つは、ガラスを破る手だ。
◆保険に入っているなら被害は少ないだろう、ということで、一端道具を家に取りに戻ったT川さんが、リヤのサイドウィンドウに飛散防止テープを貼り、ドライバーを突きたててハンマーでガツン!! しかし、これがなかなか割れない。こんなに割れなかったとは知らなかった。と感心している場合じゃないが感心しつつ、いろいろ試し、ハンマーのとがっている部分でガツンガツンとやっているうちに”バコッ”という爆破発音とともにガラスがザクザクになった。
◆飛び散ったガラスを掃除して、中に潜って運転席だけについているアンロックのボタンを押す(いや、私じゃなくてT川さんが)。電源が入っていないので反応なし。今のクルマは良くできているんだかなんだかわからない。クルマの中に、もぐり込んだT川さんがリヤシートを外してトランクの中からカギを取り出し、無事(無事じゃな気がする)開錠。さすがメカニックのT川さんは、透明なアクリル板も持参して、破壊カ所に貼ってくれた。
◆すっかり伸びているはずのスパゲッティはK貴に任せて、一路ヒースロー。レンタカーを返してT川さんにお礼の電話をし、19時半のフライトのために、17時30分にはチェックアウトを済ませ、まずは、メールをチェック。短い原稿を二つばかり書いて送信し、今回はJALだったが、ラウンジにろくな食べ物がないはず。機内食を食えない身の上なので、適当に軽い食事をしてからラウンジへ。ヒースローのラウンジは、ABC順なっているのだが、JALはFにロゴマークがあったが実はBAのラウンジであった。これが悲劇の始まりだ。
◆責任は自分にあるが、通常のラウンジは、時間になったら呼び出しがある。しかし、それがなかった。原稿を書きかけて、ふと時計を見ると7時過ぎている。ありゃ、 ボーディングタイムだ、と慌てて搭乗口に向かったが、それは搭乗時間じゃなくてフライト時間であった(笑)。笑えないって。
◆JALのスタッフが全員で恐縮している。でも、彼らのせいじゃない。”なんで呼んでくれないんだ”という発想もなくはないがここはイギリス。いつだったか電車の中で、到着駅のアナウンスが一回こっきり、それをボソボソっと言うのを聞いて、”イギリスは自己管理の国だからね”と偉そうに原稿を書いたことがある手前、あくまで責任は自分だ。
◆親切なJALの女性職員が、「荷物は降ろしてあります。明日のフライトの予約を現在しております。料金はいただかなくて大丈夫です」と気づかいつつ税関まで案内してくれた。税関のパスポートコントロールで、「乗れなかったので再入国します」というと、すんなり。実は日に数人、こうしたマヌケがいるので慣れたものであったが、問題はこの後だ。
◆親切なJALの女性スタッフは、ホテルの予約カウンターを教えてくれた。税関の長蛇の列で”実はクルマは大好きだけどF1には全然興味がありません。シトロエンがほしいです”と話してくれた親切な彼女にていねいに頭をさげて、ホテルの予約状況を確認した。
◆以前も同じ状況があった気がする。「今日のホテル? 大丈夫、空いてます」。”ハウマッチ?”。「日本円なら1泊3万5千円から4万円」。倒れそうな値段だ。簡単に言うなよ。「遠くになれば、1万円から2万円もある」。”ありがとう”ネットで調べます。「お~、ないと思うけど、グッドラック」。探したら130ポンドだから1万8千円くらいのがあった。が、住所を調べているうちに予約を横取りされた。次に安いのは190ポンド。すでに時間は8時半を回って、探している時間もない。
◆安く上げる方法を考えた結果、レンタカーを借りて、モーターウェイのホテルに飛び込むことにした。これならレンタカー代と合わせても、最初の130ポンドくらいで済むはずだ。だが、平日なのに軒並み満室。4軒尋ねて、昨日と一昨日のホテルに電話して、okが出たのは11時過ぎ。結局ブラックリーまで戻ることになったのであった。
◆クルマの国のイギリスは、クルマが走ることを運転を考えた道路事情のお蔭で、レンタカーの移動はとても楽である。だが、欠点は、ロンドン近郊のホテルがやたら高いことだ。地下鉄から歩いて行ける距離の安いホテルは、トイレが外についていて、夜中に寝ぼけてトイレに行ったら、後ろで”かちゃっ”と音がしてドアがロック、フロントが隣の建物なので、Tシャツを下に引っ張って股間を抑えてスペアキーを借りなければならなくなったりするので、注意が肝心だ。
◆欲張りがたたって忙し過ぎの状況を針路変更しないと、誰かに迷惑をかけることになりそうだ。自嘲しながら自重せよ。