スープ・デ・ポワソン
◆モナコGPの翌日、モナコを訪問。真面目にツワモノどもの夢の跡を見に行ったと思いきや、単にロッカーのキーを返し忘れただけであった(笑)。わざわざ返しに行く私は偉いか(再笑)。返せば10ユーロのデポジットも帰ってくるし、なんてね。プレスルームの後片付けをしていた親切なお父さんとお母さんに、メルシーボクゥ 。
◆ニース駅からの20分の間に進行方向右にいくつかの湾が出てくる。ヴィルフランシュ、ブーリュー、エズなどだが、それぞれ風情があって、モナコとは違う、いや、むしろもっと高貴なイメージの場所だ。そこを眺めつつ、木賃宿から豪奢なモナコに毎日通う私は偉い(笑)。
◆いつもは電車の最後部から出てプレスルームに向うが、同じ道ではもったいないので、前の方から階段を下りていくと1コーナーに出た。そこに面白いものがあった。d撤去作業中のタイヤバリアだ。コース1周で5000本といわれるそのタイヤ、実は中古ではなくて新品というのを聞いたことがある。中古で同じサイズをそろえる方が大変でむしろ金がかかる からだ。フムフム、新品である。さすがモナコ、じゃなくて、どのコースでも新品なのね。
◆それはいいのだが、サイズが225/45/17って、オレのクルマにピッタリじゃないの! 1セットもらっていきたかった(笑)。そしてよく見ると、新発見。タイヤはミシュランだ。つまり、F1のタイヤは、ブリヂストンのワンメイクじゃなかったのであった(笑)。
◆モーターホームの後片付け中のパドックを覗く。10年ほど前からだろうか、こうなってしまったのは。以前は、まさにモーターホームだった。走ってきたクルマをトランスホーマーよろしく変身させ、足りないところはテントを張り出してホスピタリティブースを作ってた。が、いまはどうだ。まるでパチンコ屋の建物じゃないか。モーターホームは、トラックが変身するところに創意と工夫を感じてF1の凄さが加速されていたものだ。しかし、今のは単なる力技。モズレーが予算削減を叫ぶのが、少なくともこの点では同感である。創意工夫がなくてなんのF1か、ということで。
◆複雑な心境でパドックを眺めて帰途につくと、フェラーリにオジサンが荷物を積んでいる。よく見りゃパパ・バトンであった。大事に積み込んでいるのは、シャンペンのビン。昨日、バトンがロイヤルボックスで受取ったそのものだ。グレイト・ジョブと握手して、坂道をモナコ駅へ。
◆駅までの間にビールを一杯いただいて、フィンランドのテレビクルーとバス待ちのJJレートにトルコでの再会を誓って歩いていると、ウィリアムズのトランスポーターがやってきた。「一貴を頼むぞ」って、誰に頼んだのかな?
◆ネット回線状態のいい、ちょっと高めのホテルに移動。夕食は、スープ・デ・ポワソンの美味い店をホテルで訪ねて、海沿いのグラン.ブルー。生の貝と、小さめのムールの酒蒸し、そして目当ての魚のスープ。久々の贅沢で生き返って、明日朝の便でチューリッヒ経由で成田へ。
1987年に初めて魚のスープをいただいたときに感動して”フランスの味噌汁と名づけた。みぎがそれ。
ちなみに、ポアソンであってポアゾンとにごると”毒”という意味になるが、それくらい美味い、ということで。