東京バーチャルサーキットは最高だ!!
富士スピードウェイの100Rを行く。”アクセル開度がサーキット走行のキモ”とは、目からウロコの砂子塾長の教示。
◆気になっていた。そこに誘いが来たら、即反応である。誘ってくれたのは、高橋毅である。カート時代から、活躍を身近に感じていた。誘われて尻込みしたら、立場がなくなる、でもないが(笑)。
◆六本木のアクシスビル地下一階で、琢磨と松本カメラマンのトークショーに笑い転げたその足で、赤坂。港区赤坂6-6-19のビル1階にそれはあった。
マシンの後ろのモニターには、TMGで見たF1シミュレーターと同じように、タイヤ温度から、各方向のGなどが出る。
◆すでに先客が”走行中”だった。30分1万円と聞いて、瞬間的に高い気がしていた。ゲームなら、その通りだ。しかし、先客の”走り”を見物して、これを高いと思った自分が恥ずかしくなった。このレベルで実際にサーキットを走ったとしたら、いくらかかるかを考えれば、1万円は、タダみたいなもんだ。まぁ、タダじゃないけど(笑)。
嬉しそうに、はいどうぞと緊張を面白がる高橋毅。彼が本山哲と参加した世界選手権カートを見物したのは何年前だったか。
◆どんな面白いことも、”筆舌に尽くしがたい”という言葉があるように、言葉では伝わらない。という表現は、ライターの逃げとしてとっても便利だ。が、マジでそうなのだからしょうがない。
◆しかし、間違いないことがひとつある。ホンモノに比べて(F1まで乗ったことがあるオレが言うんだから間違いない–笑←見方によっては泣かもだが)、きわめて安全、てことだ。どんなにスピンしても、タイヤにフラットスポットはできないし、激しくクラッシュしてもクルマは壊れない。したがって、修理費はかからない。どんなにシフトダウンが下手くそでオーバーレブしても、エンジンは壊れない。なので、オーバーホール代を払わないで済む。なにより、絶対にケガをしない。ここが最大の魅力だ、特にオレにとっては(笑)。
ステアリングを外して、ここに乗り込む。この光景を見ただけで心臓がバクバクした。
スパルタン(←言い古された常套表現–笑)の足元。左がブレーキ、右がアクセル。カートと同じだ。
◆そうした安心を背負って、マシンに乗り込んだ。高橋毅から、「レーシングシューズとグローブを持ってくることを薦める」と聞いていたので、スニーカーを履いてグローブを持参した。まず、普通しないグローブをはめた時点で、ホンモノムードがある。そのテンションで、ステアリングを外して(←ホンモノムードさらに加速!!)コクピットに座る。
⇒ヘルメットを被っているように見えるかもしれないが、被っていない(笑)。
◆座席は、モーター駆動で前後にスライドする。前の人とだいたい同じポジションだったので、ま、いっか、とそのままでスタートした。走行中に若干遠いことが発覚して足が攣りそうになった。次はもうちょっと近くしよう。
◆では、という株式会社ユークスの事業推進室の砂子塾長こと智彦シミュレーターインストラクターの言葉で恐々とガレージからピットロードに出る。エンストはしなかったが、後ろで毅が、”もっと踏んでいいですよ”と余計なことを言う。ピットロードだからさ、と言い訳をしてみる。砂子塾長が、”ピットの速度規制はないですから”とさらに余計なことを言うが、こちらは、”怖くて踏めないんだよ!!”と威張るわけにもいかないわけだ(笑)。
インストラクターでありーナーである砂子智彦さん。シミュレーターを知り尽くした模範走行は見事!! 背景はモナコだ。
◆なんとかコースに出た。アクセルを踏んでみる。お~!! レーシングエンジンのスムーズさたるや!!
◆走行を前に、砂子塾長が模範走行を見せてくれた。「重要なのは、”アクセク開度です”」。なるほど、いいことを言いやがる。ノーマルの乗用車からこのGP2まで、アクセルの開け方はまったく一緒です。なるほど。
◆スムーズな模範走行を見て、若干安心した。レーサーの中には、かなり乱暴に運転する方もいて、何度か助手席を味あわせていただいているが、ダートラの国政久郎さんも、GCカーに乗せてくれた長谷見昌弘さんも、ITCでTIを走ったアレックス・ナンニーニも、鈴鹿でDTMマシンを飛ばしたベルント・マイランダーも(一通りの自慢終わり–笑)、その操作だけを見ていると、レーシングというイメージとは裏腹に、まったくもってスムーズな運転をすることを思い出した。塾長には、運転で教えることはないな(笑)。
◆1コーナーでいきなりアンダーステアが出た。というより、ちゃんとハンドルを回せていない。しかし、問題はそれだけじゃなかった。コーナーでは、はるか先を見ていないと、スピードが高いから瞬間的にアプローチを開始しなくちゃならない場所に来て、”あっ”と思っている間にステアリングを切り始めるポイントを過ぎ、慌てて切るから、曲がらるわきゃない、という簡単な話だ(笑)。
音も、迫力満点。
◆最初にうまく走れるようになったのは100R。そのうち、1コーナーも少しずつうまく行くようになった。ヘアピンも同じく。ダンロップ・シケインは、”2速まで落として”という毅のアドバイスで、少し分かるようになった。最終コーナーがどうしてもうまくいかないまま、”クソッタレェ”と思っている間にオシマイの時間になった。結局、全部がうまくいった周は1周もなかったが、「終わっていいですかぁ?」という言葉に、胸の内とは裏腹に、”ハイ”と返事をしてしまった。実は、20分くらいで足が攣って、降参したのだがね(笑)。
◆10分ほどですでに汗びっしょりだったことを白状する。ステアリングの重さもあるが、精神的な緊張感がかかせた汗に違いない。身の安全は保証されているが、周囲の目もあるし、高速で移動する画面(こっちは動いていない)を制御しなければならない。かなりマジな実感があるので、緊張状態が続いているから、20分もしたら集中力が続かなくなってヘロヘロになった、というのが正直なところだ。
ここに、データが出る。走り始めは、タイヤ温度が30℃。走るうちに90℃くらいまで上昇すると、グリップ感を感じる。
◆スタート直後に、その昔、TIサーキットのオーナーの田中社長が所有していたティレルの87年型モデルのF1を転倒させた重い記憶が走馬灯のように脳裏を過ったが、今日は無事だった。つまり、こんなに楽しんでこのオレが無事で済むのだから、1万円は絶対に安いのである(笑)。
◆東京バーチャルサーキットのシミュレーターは、70のコースと9種類のマシン(新旧GP2からツーリングカーまで)を、ホンモノ同様に、スプリングを変えられるとか言うレベルではなく、パッカーの変更に至るまで細かくセッティングが可能。コクピットは動かない固定式だが、ステアリングの重さも変えることができ、さらには、レベルに合わせて、コントロールの難易度も調整できる。
◆すでに、F3ドライバーなどの若手がここを訪れ、練習を繰り返しているという。レーシングコースを体験したい向きにも、オススメ。[STINGER]で体験会を予定しているので、計画発表を乞うご期待!!
◆東京バーチャルサーキットの申し込みは、こちらへ⇒tel/fax : 03-6277-6354(株式会社ユークス)。