やりきれない秋の夜
◆鈴鹿で不幸があった。メインイベントのWTCCではなく、サポートレースのスーパー耐久。スーパー耐久としては初の死亡事故だった。
◆1コーナーから2コーナーにかけてエンジンブローによる大量のオイルが撒かれていた。後続車が次々にコースアウト、何台かがクラッシュした。その中に、Z33のOSAMUこと中嶋修さんがいた。助手席側から激しくクラッシュして、ドクターヘリで病院に搬送されたが、死亡が確認された。
◆ドライバーが亡くなったことは言うまでもなく残念至極。だが、もっと無念なのは、HANS(ヘッド&ネックサポート)を装着していず、さらにシートベルトが緩かったのではないか、という情報があることだ。なんともはや。
◆これはあくまで可能性の話だが、現在のレーシングカーの安全装備や、サーキットのセフティゾーンのマージンなどを考えると、死亡事故にはまず至らない。特にツーリングカーならなおさら。亡くなったOSAMUさんが、HANSを装着してシートベルトをきちんと締めていれば、命を落とすことがなかった可能性が極めて高い。レースにタラレバはないけれど、今回ほどタラレバを言いたいこともない。
◆NASCARの英雄デール・アンハートが亡くなったとき、クラッシュ自体はたいしたことがないように見えた。しかし、通常、超高速で走るNACSCARだから、そう見えただけかも、とも思ったが、実はシートベルトをきちんとしていなかったという情報をあとから聞いた。NASCARは、英雄だったアンハートのことも考えて、情報をすぐには発表しなかった。
◆レースやる者は、自分の身は自分で守らなくちゃだめだ。モーターレーシングは自戒の念で成立しているものだから、それが全うされずに誰かが亡くなったのは、本当に残念無念である。いまはただ、OSAMUさんの冥福を祈るばかりm(_ _)m。