F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

ピンク作戦

◆起き抜けの友人のメールで目が覚めた。

こんなタイトルの記事を見つけました”。トヨタのデザイン改革、「ちょっと変」が売り”、 ちょっとじゃなくて「とても変」とか「すごく変」の間違いでは?

それにしてもクラウンアスリートのピンク、アスリートじゃなくてクラウンヘルスとかにして名古屋限定販売ご当地バージョンにした方が話題性もありそうなのに。

◆以上、オレの意見じゃないですm(_ _)m。しかし、メールの主は、イニシャルが一緒だから、まぁ、似たようなことを考えてますけど(^^ゞ 

◆スピンドルグリルやピンク戦略は、好きか嫌いかで言えば嫌いに属する。しかし、それは感覚が古いからじゃないの、といわれればその通りの気もするのでなんとも言えない。ただし、である。

◆スピンドルグリルや、ピンクに対して、いろんな見方がある。”いろんな見方がなかったので無難になっていた”ことから、『変化』が大事、と気づいた作戦は、正しい選択と思う。だが、その一方で、ピンクのクラウンを見て使い古した、というか、オレしか使ってないフレーズを思い出した。『トヨタのホンダ化とホンダのトヨタ化』だ。

◆自動車メーカーは、当然ながらそれぞれある意味の”個性”や”見え方”がある。これは、トヨタに限らず、ニッサンにもマツダにも、スバルにも言えると思う。その方向性を変えてみよう、というのが、スピンドルグリルとピンクの発想のスタート地点だったと思う。

◆『トヨタのホンダ化』は、トヨタがF1に参戦し、富士スピードウェイの経営に乗り出した時に閃いた言葉だ。『ホンダのトヨタ化』の解説は別の機会に譲るが、おとなしいトヨタから観たホンダは、若くて元気な会社に見えたのかもしれない。”おとなしくて無難”というようなイメージがトヨタにあるが、これでは、購買年齢がドンドン上昇して、将来、若い人に見向かれなくなる、というようなことへの配慮から、”脱却”を目指してイメージを作ろうとした中に、モーターレーシングがあった。だからある意味”ホンダのように”、F1であり、富士スピードウェイだったとオレは解釈した。

◆しかし、どちらも、実にトヨタらしい進み方になった。何度もアチコチで書いているのでまたかよ、と仰るムキもいらっしゃると思うが、2002年1月のF1初走行が、実は前日にポールリカール・サーキットで試し走行をした後だった、というのを聞いてタマゲタ話。シェイクダウンテストは、初めて走るからこそ観る意味もあり、見せる価値と意義がある。しかし、いまのWECマシンも同じ思想だが、”報道関係の方に恥ずかしいところをお見せするわけにいかないですから”という意味で、必ず試し走行の後に初走行という”ヤラセ”をやることになる。

◆バックに巨大企業がいて、モーターレーシングの神髄が中枢に理解されていないと、こうならざるをえないのは理解できるが、フェラーリもマクラーレンも、レッドブルも、そして自動車メーカー主導のメルセデスAMGも、そんなことはしない。なぜなら、F1が猛烈なスピードで進化する”日進月歩の世界”であり、机上の論理では戦えないことを理解しているからだ。昨日走って今日見せることに意味はない。

◆ならば、思い切った”ピンク戦略”はありじゃないの? という声が聞こえる。確かに、変化することはいいことだ。トヨタに求められている、というのも正しい認識と思う。巨大な石の車輪を転がすのには大きな力がいるが、一端転がり始めた車輪の方向を修正するのは、最初に動かす以上にエネルギーが必要だ。安定して巨大化した会社なら、”変える”作業は、さまざまな軋轢も呼ぶ。

◆その軋轢のひとつが、変化に対する辛辣な意見、という見方もできる。しかし、巨大な石の車輪がゴロゴロといままで通りに転がり続けている隣で、ピンクのトロッコに小石を乗せて動き出したとしたら? 衆目はピンクに集まるが、肝心なのは、転がり続ける巨大な石の方向を変えることだ。巨大な石の車輪の隣を走るピンクのトロッコに乗った、いやあえて載せられた、と書くべき社長に、是非ともそこに気づいてほしいと思う。
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