お別れの会
◆丸の内のパレスホテルで、小林彰太郎さんのお別れの会。昼夜二部制の合間に会場を覗かせていただいた。
◆真ん中に、小林さん縁の3台のクルマを囲んで、小林さんを思い出すパネル写真が並んでいた。そのキャプションを夢中で読んだ。1960年代中盤から買い始めたカーグラフィックも、高校生の自分がそうして一生懸命に読んだことを思い出した。
◆真ん中に置かれた3台のうち、一番手前のラチャ・ラムダ・トルぺードーが、小林さん一番のお気に入りだったそうだ。当時としては画期的な、モノコック構造、独立懸架サスペンショ
ン、OHVエンジンという先進メカを搭載し、小林さんをゾクゾクさせたのだという。不勉強で外観でしか物事が判断できない自分には、さっぱり魅力がわからなかったが、キャプションを読んで改めて拝見したら、その紺色のクルマが、小林さんがおっしゃっていたという”小股が切れ上がったデザイン”に見えた気がしてきた。
◆現金なものだと思ったけれど、実は、ジャーナリズムというのはそういうものであることを改めて感じて、こんな言葉を思
い出した。”編集とは、自分が大切にしているなにかを広く伝える作業である”。
◆冥界に旅立たれてなお、人々の心に響く。偉人はむしろ、亡くなった後にこそ、その余韻をバイブレーションとして、送り続けるのである。
◆CG3代目編集長の阪さんが、しみじみとつぶやいた。「もっとたくさん、いろんな話を聞いておきたかったなぁ」。小林さん
は、編集部員や社員には、あまり多くを語ってくれなかったそうだ。もしかするとテレがあったのかもしれないが、外部にたいしては喜んで語ってくださった。
◆改めて、有形無形のご教示に感謝いたします。ありがとうございました。安らかにお休みください。
小林さんお気に入りの3台(手前がラチャ・ラムダ・トルぺードー)とCGのお歴々。左から、現在の編集長であり、カーグラフィック社社主の加藤さん、イストレーターの児玉さん、三代目編集長の坂さん、編集部に舞い戻った渡辺さん。