F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

セナとの思い出

140501AS2.jpgセナのインタビューの再録を、別の頁で紹介した。そのインタビューの時に、セナと一緒にヘリコプターに乗ったゾ、という自慢話である。


◆1990年の日本GPが終わった翌日か翌々日だったと思う。したがって、10月22日か23日である。
* ↑訂正。1989年でした。ならば、10月23日か24日。

◆1990年の日本GPは、例の、プロストのフェラーリにセナが突っ込んで刺し違え、S字で待っていたセナファンの美人(当時)をひどくガッカリさせたあのレースだが、そんなことより、セナの一面を、このインタビューに同席してかいま見た。ある種、超能力者のような一面である。

◆いや、話は実に他愛ないことなので、あまり期待しないように。オマエのことだから、期待なんかしていないワイ、という外野の声は、ありがたく頂戴して、と。

◆セナと中村良夫さん、共同インタビューの形になった赤井邦彦さん、そして私の4人を載せたヘリコプターは、セナがラジコンを楽しんだ桶川から飛び立って、木場のヘリポートに着陸した。途中、当時住んでいた江戸川区西葛西沿いの荒川上空を通過した時、セナに、オレんちが見えるよ、と言ってみた。中村さんと赤井ちゃんは、そんなの分かるわけないじゃないか、と一笑に付す体であったが、“あんなに大きな家に住んでいるのか”とセナはボケをカマしてくれた。清新町の団地である。しかし、言いたいのはそこではない。

◆インタビューは、降り立った木場のヘリポートからホテルまでの約40分ほどで行なわれたと記憶しているが、移動の時に最も印象的だったのが、セナの感覚の細やかさだった。

◆後部座席に、中村さんと赤井さんに挟まれて三人がけしたセナは、ヘリコプターから降りた時に気分が悪いといって、トイレに駆け込んで胃の中のものを処理してきたようだったが、気分の悪さを押し殺して、約束していたインタビューなので、と無理を押しつつのやりとりになった。

◆ハイヤーが走り出すと、セナは、車内が少し寒いと言って、エアコンの温度を上げるように運転手に指示した。驚いたのはこのときである。運転手がスイッチをカチャカチャッとひねると、セナは、”ワンモア”と言ったのだ。

◆セナが座っている場所から、運転手が操作したスイッチは見えていなかった。もちろん、そのクルマがなんだった忘れたが、クルマによってスイッチの段階は同じわけでもなく、つまり、スイッチのカチャリで温度がどれくらい上がるかは、スイッチ操作をしてからしばらく経たないと分らないはずだ。しかし、セナは、運転手がカチャカチャッとやった瞬間に、”ワンモア”と言ったのだ。

◆正直なところ、セナのギリギリのレースの仕方が好きではなかった。好きではないというと語弊がある。見ていて心配でしょうがなかった。しかし、”ワンモア”の言葉を聞いた瞬間に、アイルトン・セナが理解できた気がした。彼は、そこの住人であり、そこは、常人の心配や懸念や推測が入り込めない世界なのではないか、ということが。

◆中村さんは、セナの宗教観にいたく感心されていたけれど、1994年に、セナは旅立ったのではなくて、元の場所に戻ったのではないかと思う。中村さんは、7カ月後に、セナを探して、そこへ行った。
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