F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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命を預かるクォリティ

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レーシングカーだろうと軽自動車だろうと、走ることが命題。パソコンとはちょっと違う。

「アップルの電気自動車開発トップが退社へ」というニュースが24日のウォールストリートジャーナルに掲載された。クルマの情報は、時々奇妙な日本語で伝えられるサイトだが、このニュースに触れて、改めて自動車関係者に提案したいと思う。

◆いや、アップルが乗り込んだから大変だ、ということを言いたいのではない。それはそれでこれまで、自動車は、自動車メーカーが創り、電気製品は電機メーカーにパーツを発注していたが、それが逆になるわけだから、気に留めるべきことだけれど、提案したいのは、自動車メーカーや関連メーカーの自負である。

◆いかに優れたコンピュータでも、たいていは机の上でじっとしているだけで走らない。ラップトップやスマホは、たしかに動くが、それでも誰かの鞄の中かポケットで移動するだけである。つまり、自分で動くことを考える必要がない。けれど自動車は、動くことこそ命題である。

◆何を言いたいかといえば、自動車関連のメーカーは、総て『命がかかっている』パーツを作ってきた、ということだ。アップルに必要なのは、いかにデザインがいいか、操作がしやすいか、という前に、『命を預かるものを創ったことがない』という自覚である。

◆随分前の話になるが、ウィンドウズが流行り始めた頃、マイクロソフトのビル・ゲイツが、「もしGMにマイクロソフトのような技術があれば、クルマは25ドルで売れる」というようなことを言ったことがあった。それに対するGMのエンジニアの反撃が秀逸だった。

※興味のある方は、「マイクロソフトがクルマを作ったら」で検索していただければかなり楽しめると思うが、面白いところでは、以下のようなことだった。

  「もしも、マイクロソフトがクルマを作ったら」
  *エンジンを切る時は、スタートボタンを押す。
  *ぶつかる寸前に、”本当にエアバッグを開きますか?”と訊いてくる。
  *少なくとも日に2回はクラッシュする。

◆マイクロソフトもアップルも、製品の完成レベルでは、自動車に遥かに適わなかったのである。最近、クラッシュは少なくなったが、パソコンなら、クラッシュしてもたいてい再起動すれば元に戻るが、クルマはそうはいかない。当たり前のことながら、『命を預かる』ということは、それほど偉大なことなのだ。

◆つまり、命がかかった製品を長年創り続けている自動車関連メーカーのクォリティは、コンピュータメーカーの比ではない、ということだ。ビル・ゲイツは、クルマが動くことに考えが及ばなかった?

◆アップルは、中心人物の退社で混乱するだろうけれど、テスラがロータスと契約したように、”動くこと”の重要性を考えていればいいけれど、そうでなかったとしたられこそ大変なことになる。

◆問題なのは、最近の自動車メーカーの中には、そのことを忘れちゃったんじゃないのか?と思いたくなる事態にちょくちょく出くわすことだったりもするけれどm(_ _)m。
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