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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

サクラが散った

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とても悲しいニュースが飛び込んできた。自動車評論家が、箱根ターンパイクで事故を起こして亡くなった。

まずは、ご冥福をお祈りします。

合掌。





気になってあちこちに出ているコメントを見ると、多くの人が、『スピードを出せる=運転がうまい』、という誤解をしていることが分かって、さらに悲しくなった。

『運転がうまい=スピードを出せる』は間違っていないけれど、その逆はない。くそ度胸もしくはその状況を関知できない状況で過剰なスピードで走ってはいけない。

そもそもスピードを出していい場所は限られていて、さらには、そういう場所(サーキットなど)でも、スピードを出すかどうかは、運転者が自分の技量と精神状態を管理して、その責任でコントロールされなければならない。

これは、いろいろ”悪事”を働いて多くの方々に迷惑をかけた反省から身をもって感じていることだ。もっともそれ以前に、そう感じることを世間では”常識”、というけれど。

ともあれ、『運転の楽しさはスピードにある』という誤解も蔓延しているような気がして、もう一段悲しさが加速した。いいクルマは、ゆっくり走っても、大地を、もっといえば宇宙を感じることができて、だから楽しい。

マクラーレンのデーラーである大阪のマクラーレン八光からのお誘いで640の公道試乗記を書かせていただいて、改めてそう感じた。マクラーレンの送り出す市販車は、”ハロッズに買い物に行けるF1″という触れ込みで送り出された永遠のスーパースポーツであるマクラーレンF1から、低速でも”移動することじたい”がすこぶる気持ちがいい。

もちろん、スピードを出すことも大きな、そして棄てがたい魅力だ。というより、自動車そのものが本来、人を高速で移動させるための道具として誕生しているのだから、魅力であることに間違いはない。さらに私自身、若いときにそうした常識外れの行為を散々しでかした結果、わかったようなことを言えるようになったという流れは否定できないけれど、スピードを出すことでしかクルマの性能を鑑定できない、もしくはできないと思い込んでいる風潮はなんとかなってほしいところだ。

自動車評論家と言われる人も、雑誌などの専門メディアも、たとえば新しいクルマに限らず、ニュータイプのタイヤが市販されると筑波サーキットに持ち込んでタイムを計り、短時間で周回できるタイヤがあたかもいいタイヤであるように伝える風潮は、そろそろ卒業してほしい。

レーシングタイヤはそれでいい。速く走ることが使命だからだ。けれど公道を走るタイヤは、グリップよりもカンファタビリティの方が圧倒的に大切だ。ただし、それを言葉はもちろん、写真や映像で伝えるのは簡単ではないのだけど、だらサーキットに持ち込むしかない、という短絡思考は、読者獲得のためには素晴しいしいアイデアだったと思うけれど、本質ではない。国会議員が有権者が喜びそうな公約を並べて当選したら知らん顔、という流れに似ている。

第一、公約でいいのに、”マニフェスト”とはぐらかすようなことを言って一般大衆を煙に巻くのもそろそろおしまいにするときだ。除幕でいいのにアンベールと表現することで満足している輩も同様。F1でいうと、タイヤのデグラデーションなど、状況を精確に認識していない言葉を使いたがるムキも同じである。

話がズレた。

アクシデントは、どこかが壊れたのか、突発的ななにか(動物が飛び出したり)を含めて、それを自覚して乗っている運転者の責任だ。自分がコントロールできないスピードで走ることは正しくない。もちろん周囲の状況を含めて。

たとえば、F1GPでは、悪天候ではレースをスタートさせられないという規則がある。危なくてレースができないからではなく、緊急ヘリコプターが飛べないからだ。そうした周辺も含めて、スピードを出していいときを見極められなかったことがもっとも悲しい。

スピードを出すのは自己責任、ということの意味をこれを機会に、大好きなクルマを運転するみんなに考えてほしい。
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