自動運転?! 当分、無理でしょ
来年に予定されていたアップルの自動運転カー『carOS』の発売が延期になったらしい。当然といえば当然?
スマートフォンと連動は素晴しいけれど、そもそもアップルともあろうものが、どんな優れたパソコンを作っても、プロバイダーがなければ通信できないことを何故分らないのだろうか。自動車でいえば道路などの整備だ。自分だけで自動運転は無理だ。
いや、区間を定めた”それなりの自動運転”ならできる。けれど、現在、言葉として一人歩きして多くの人が勝手に”理解”している『自動運転』は、「一応運転席が付いているけれど、出発からゴールまで運転者がなにもしなくていい」と解釈されているのではないだろうか。
しかし、だとすると、それに対応した道路のインフラ、責任の所在、保険の問題など、自社だけではまかなえないすべてが整わない限り実現は無理である。
なのにマスコミの論調にもその危機感がまるでないのはなんとも悲しい。
2020年に発売するとしているニッサンも同じ。オリンピックムードに乗っかりたいのはわかるとして、”それなり”でしかない自動運転を、あたかも乗員が何もしなくていい”完全自動運転”と誤解させ、矢沢永吉に「やっちゃえ」と言わせるのはどうかと思う。
自動車メーカーは、IT産業が未経験の、『命がかかった製品を届けている』という自負を再確認して欲しいところだ。
一方で、アップルやIT関連企業に期待もしたいけれど、その前に、パソコンは、物理的にスタティックなもので、中は超高速のスピード感で動いているけれど、ハードとしての箱は動かない。
自動車とパソコンの違いをもう一度考えていただいた上て、アップルにはアップルらしい、これまでにない素敵なクルマを作ってほしいと思う。
photo by [STINGER]