M3・その2
(昨日からつづく)
◆買ったときが3万7千㎞だったが、20年で28万km走った。特に、10年ほど前はゴルフに狂って年に60ラウンドもやっていたので、自然と走行距離が伸びた。鈴鹿にも何度も往復した。アクセル一定を心がけたら、往復でリッター12kmを記録したこともあった。
◆いつだったか、F1日本GPの鈴鹿からの帰りに、クラッチが突然効かなくなって往生した。ペダルを踏んでもスコスコと無反応。JAFを呼んで、一番近いBMWまでレッカーしてもらい、直ぐには治らないので新幹線で帰った。家族4人を乗せていたので、修理代より新幹線代が痛かった。
◆別の年の同じく鈴鹿の帰りの秦野のサービスエリアに駐車したところで、アクセルペダルが効かなくなった。思案の末、回転を3000回転に合わせてリンケージを針金で縛って固定して、クラッチ操作だけで八王子の家まで2時間半かけて帰った。整備不良だけど時効なので許して。
◆その後、オーバーヒートにも遭ったが、交差点で止まっていたら、隣のダンプカーが、突然左に寄ってきて、フロントバンパーをゴリゴリとやられた。外れかかったバンパーを半ば引きづりながら追いかけて、オネエサンが運転しているダンプカーを停めた。「ぶつかってないよ」と言い張るので、警察を呼んで現場検証して認めてもらったが、バンパーだけで修理費が110万円かかった。
◆110万円かかった、というより、簡単に言えば、ある種の修理屋の常套手段らしいが、保険屋と組んで、要らぬところまで被害を大きく報告して、見積を出したようだった。修理工場も保険屋も、バックマージンを受け取っているらしいことにあとで気がついた。
◆オーバーヒートで調布インター手前で水蒸気が吹き出して、やっとのことでインターチェンジを降り、知り合いに修理工場を紹介してもらったこともあった。見立ての上で、パーツが高いというので、ドイツ本社からヘッドガスケットセットを10万円以上出して取り寄せて修理屋に届けたら、修理費が88万円だった。
◆20万kmを超えた頃から、1速に入りにくくなった以外、ミッションはすこぶる快調だった。次に壊れるのはミッションだぞ、高いよ、と知り合いに脅かされていたが、快調のまま、手放すことになった。
◆思い出が尽きない黄色M3だが、いまでは、「今日、東名で捕まっただろう、見てたよ」とオレじゃない黄色いM3を見て電話してきて、違うと言っても信じてくれなかったことが懐かしいが、実を言うと、再び黄色いM3に乗りたくなっている自分に気がついた。いつかまた、会おう。